【wrwrd!】ダンガンロンパ Last〜ボクらのカンキンユートピア〜Part9

CHAPTER 05 総統が恐れるは破滅より孤独 ページ43

……移動がだるいだなんて、いかにもショッピくんらしい理由だ。
私は時計の針が約束の11時を指すのを待ちながら、そんなことを考える。
最初はゾムくんと二人で、不可侵なんて言っていたのが懐かしい。


すっかり慣れてしまったこの生活の全てを思い返していると、個室の扉がノックされた。
もうすぐ11時に変わりそうな時計を横目に扉を開けると、そこにはエーミールくんが立っていた。

「あれ、エーミールくん？」
「お迎えに来ました！一人で出歩くのは危険ですし、ゾムさんならそうすると思って」

どうやら迎えに来てくれたらしい。
私の個室からショッピくんの個室へ移動するくらい大した距離ではないのだが、私は彼に「ありがとう」と返す。
エーミールくんは、私が扉に鍵をかけるまで待ってくれた。



「えーっと、ショッピくんの部屋は…」
「ゾムくんの部屋の隣だよ、そのゾムくんは一番端」

説明しながら彼の隣に並ぶと、エーミールくんは「ああ、そやった」と思い出したように手を叩く。
私たちは扉に書かれた名前をきちんと確認してから、ショッピくんの個室の扉をノックする。
扉に鍵がかかっていないことは事前に知らされていたため、躊躇なく扉を開く。
するとそこにショッピくんの姿はなく、ゾムくんがたった一人で大人しくベッドに座り込んでいた。


「あ？ゾムさん一人？」
「うん、ショッピはトイレ」

エーミールくんの問いに、ゾムくんは自身の指の爪を触りながら答える。
…意外だ。
ゾムくんのことだから、トイレだろうと単独行動を許さず同行すると思ったのだが。

「…ショッピくんのことは一人にしても大丈夫なの？」
「知らん、でも一人で行けるからついて来るなって言われた」

ついて来るなと言われたからか、心なしか不満そうにベッドに倒れ込むゾムくん。
トイレに行く道中でグルちゃんと鉢合わせする、なんてことにならなければいいが…。

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