に。 ページ3
「あっ。るぅとくーん。おはよ」
被服室から、ひょこっと顔を出したのは、同じクラスの莉犬。
「もう。何で起こしてくれなかったんですか。」
まぁ。寝てた僕が悪いんだけど。
と、自分のことを棚にあげてじとっと莉犬を睨む。
「えー?るぅと君が悪いのに。」
もっともだ。
だけど、せめて声くらいかけてほしい。
「あ、さっき、Aちゃん見てたでしょ。」
話題を変えたいのがバレバレなほど不自然に、莉犬は早口で言う。
僕は、隠すことでもないしと、正直に頷く。
「ま、ね...。」
「あ、やっぱりぃ?」
すると、莉犬は分かりやすくニマついた。
「何なんですか。」
あからさまに、僕が顔をしかめると莉犬はますますニヤニヤと笑った。
「いーやぁ?ただ、青春してんなって。」
莉犬のことは、大好きだけど、こういうとこはちょっぴりウザイ。
「るぅとくーん?返事してよ。」
莉犬を無視することに決めた僕は、退屈な授業を聞くはめになった。
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作者名:てん | 作成日時:2020年6月18日 23時