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Lens.125 ページ5








突っかえた言葉に不思議に思っていても、しょうがない。



とりあえずこの場から、出なくては。




ぐちゃぐちゃの顔だけど、別にいい。


暗いし、誰も見る人なんていないし、

ただいい大人なのにこんなに涙腺が弱くて恥ずかしい。


前は泣くことなんて滅多になかったのに。



あぁでもそれは、俺が何事にも無関心で感情移入をしなかったからか。



自分の人間性の無さに笑えてくる。




涙は拭って、少しばかり乱れた服も整え、
先ほどよりかは幾分はましだろう。


マンションから出たら智くんに連絡入れよう。


迷惑だろうけれど、今日は智くんはお休みだと知っているしたぶんまだ寝ていない活動時間内。




目の前の社長を見上げて、澄んだ瞳を見据えた。








「……社長、今日はお疲れ様でし、……た。」



「…?、うん。」





「………、また明日、お迎えに来ますね。」





明日の朝までは、俺はまだギリギリで秘書でいられるはずだ。



社長を迎えに行く前に色々片付けなくちゃいけないことは山積みだけれど、構わない。



最後の最後まで、秘書していたい。



辞めた後の事は考えていないけど、

絶対NYには行かない。

誰があんな地獄みたいなところ行くか。




不自然に見つめすぎる俺に、この短時間で何度目かの社長の苦笑い。




この人、怖いくらい愛想笑いばかりだったのに。

こんな人間性、いつの間に出たのかと、気づく。







「……?なに?」


「……いえ。」




こんな時間稼ぎ、何にもならないのに。

明日は皆に平等にやってくる。




この家を出る前に、一瞬だけ、…一瞬だけ唇に触れて離れた。








「失礼しました。」


逃げるように家を出て、扉を閉めて、早足でエレベーターまで行って、乗り込む。



途端に、足の力が抜けた。





思うことはありすぎるのに、整理しなくては。



やっぱり、最後の意地でも触れるんじゃなかった。



貪欲な自分は、勝手な自分は、ここまで逃げてももっと、と、欲しくなる。


無人のエレベーターの中にへたりこむ。



高いブランド物のスーツとか、汚れるとか、もういい。





あぁ、好きだなぁ、って。




社長が、好きだなぁ、






「…………………、」



振り切るように、携帯を取り出して智くんの連絡先を探して、


聞こえてきた柔らかい声に安堵する自分は、嫌になるくらい酷いヤツだ。

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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時

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