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Lens.139 ページ19







昼休みも終わって皆もう仕事に戻っているであろう時間。


俺は社内を味わうようにじっくり歩いて最上階まで。



走馬灯のように色んなことが脳内に浮かんでは消えて。



秘書として何か出来ただろうか。何か社長に役立つようなことを。俺は秘書として今日まで、__________、


最上階について。社長室の前について。足がすくんだ。





「ったく……もう俺ほんとに………情けな…、」




泣くな泣くな泣くな。
もう散々泣いて。散々女々しい事考えて。いい歳して。大人の癖に。もう嫌っていうほど考えただろう。



胸ポケットに入れていた、全てを終わらせる紙を取り出して、手に持って。





「ッ……ハーーー、、」


呼吸を整えて、立ち上がって、社長室にノックもせず躊躇無く入った。







「…………社長?」



そこに、社長の椅子にいると思っていたがそこに社長の姿は無かった。



どこか行くとか言ってたっけ…?けどここまで来るのに社長見かけなかったけど………、



秘書室?……、

「……なワケないか、どこ行っ、」



たのかな。



と、続ける事は出来ず、

切られた言葉の代わりに、ぎゅう、と誰かに抱きしめられる。


誰かといえど、顔も見なくても分かってしまう自分が怖い。







「……社長?」



後ろから息が止まってしまう程キツく、抱きしめられて。


社長の片手がスルスルと降りていき、俺が紙を持つ手に社長の手が重なる。





「……社長、」

「翔さん」


「……社長。」

「これ、なに?」


重なった手はそのまま俺が持つ紙をスルリと抜いた。






「…俺はあなたを手放す気なんてないんですけど。」



耳に唇をつけてそう紡ぐ社長に、思考が止まってしまいそうになる。


ここで止まっていては、いけない。




社長の手に渡った、辞表。

秘書ごときが辞表と書いていいのか迷ったけれど秘書だって社長に関わる仕事だから構わないだろう。







「社長、お話したいことがあります。」


「俺はない。」


「僕はあります。」



「聞きたくないと言ったら?」


「それでも聞いていただきます。」



「許可できないと言ったら?」


「それでも許可していただきます。」



「俺はこの紙今すぐ破り捨てることも出来るけど?」


「社長はそんな子供じみたことしないでしょう。」


「わからないよ。」


「わかります。」



「…言ったように、俺はあなたを手放す気は無いよ。」


「それでも、手放していただきます。」

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adg567(プロフ) - 2人を味方につけた社長は無敵ですね今後の展開も楽しみにしてます(^^)/ (2016年9月4日 20時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - adg567さん» やっと伝えました秘書さん〜( ; _ ; )物語に入り込んでくださって本当に嬉しいです( ; _ ; )楽しみにしていてくださいっご期待に添えるよう頑張ります! (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
ミラノスカイ(プロフ) - ゆいぴょんさん» ずっと読んでくださったんですか!!有り難き幸せ〜( ; _ ; )そうなんですやっと言いました!長かったです本当もう手のかかる秘書さん( ; _ ; )笑 応援ありがとうございますっ頑張ります☆ (2016年8月12日 17時) (レス) id: b640a89147 (このIDを非表示/違反報告)
adg567(プロフ) - わ〜!とうとう気持ち伝えちゃった(*≧m≦*)でもまだまだ安心できない感じですね!!続き楽しみにしてます♪ (2016年8月12日 11時) (携帯から) (レス) id: ae6ca517f2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいぴょん(プロフ) - この作品、ずっと読ませてもらってます!ついに!秘書さんがホントの気持ちを社長に伝えましたね!すごく切ないけどドキドキしてしまいました…!続きが気になるのでこれからも更新頑張ってください!応援してます!! (2016年8月12日 8時) (レス) id: ceaba55208 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミラノスカイ | 作成日時:2016年6月12日 19時

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