「再会/第二話」 ページ5
「A兄ィ！今帰ったで〜、あんなぁ、途中でなずな兄ィに会うたから一緒に帰って来………。」
目の前に広がる光景にあんぐりと口を開けるかげくんと、その後ろで紅く大きな瞳を見開くにーくんに向かって、彼は溜息をついた。
「…喧しい、君はもう少し上品にできないのかね。」
「…………………んぁ、……………んあぁ？？！」
互い違いの2つの宝石が涙を浮かべて輝いた。
「んあ〜〜〜！！お師さん？！ホンマにお師さんなん？？！」
怪訝そうな顔を浮かべるお師さんに彼は両腕を伸ばし、じりじりと詰め寄る。
お師さんがピクリと眉をひそめたのを合図に彼は勢いよく飛びついた。
「んああ〜！！めっっちゃ嬉しい〜！！」
「ええい！くっつくな！離れたまえこの出来損ないがっ！！」
「怒られんのも久しぶりやわ〜嬉しいぃ〜！！」
「怒られて喜ぶとは、ほんとに君は気味が悪いねッ？！」
彼がお師さんにくっつく度にぎゅうぎゅうと腕と頭に激しく重みがかかる。
それに気づいたお師さんが僕を守るようにして腕を伸ばした。
「こら、影片！繊細な美波が潰れてしまうだろう！いい加減離れたまえッ！！」
「んああ〜！！お゛しざん゛〜！！よ゛がっだ〜！！」
「ええい！影片ッ！聞いているのかねッ？！」
近づくかげくんの頭をグイグイと押し返すお師さんに、控えめな小さな人形も抱きついてきた。
回された細い腕越しに、さらに負荷がかかる上半身。
苦しいけど、愛おしい。
きっと、これが愛の重さなんだ。
「全く…君たちは…。」
彼は再度溜息をつき僕たちの頭を撫でた。
「仁兎、美波……あと影片。迷惑をかけたね。」
優しい視線が僕たちに注がれる。
人形師の愛を受けた人形、幸せな夢にいるような心地よさを感じた。
「ああ、それと…」
すっと、その視線が流れるように僕へと移された。
少しくすんだ薔薇色の唇が孤を描く。
そこには、何ものにも犯し難い、高貴なる帝王、この世界の操り人の
「僕は人形に守ってもらうほど落ちぶれてはいないのだよ。」
ああ…、人々がお師さんに心酔するように、僕もまた、その一人なのかもしれない。
……やっぱり、お師さんはすごい人だ。
「…うん……………♪」
これから僕たちは新しく生まれ変わり、四人でまた美しい芸術を紡いでいく。
‥そう確信していた。
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みん。(プロフ) - 夜さん» 数多ある作品の中からここを覗いて下さりありがとうございます、さらにコメントまでいただけるとは光栄に思います！これからも夜様に楽しんでいただけるような、素敵な作品になれるよう心を込めて執筆して参ります！ (2023年4月17日 1時) (
レス) id: febc79156f (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても素敵なお話で一気に読み終えてしまいました！この先どんなお話になるのかわくわくです！これからも作者様のペースで更新頑張ってください！ (2023年4月16日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
みん。(プロフ) - 朱憑さぶさん» 前作をお読みくださりありがとうございます！嬉しいお言葉に舞い上がっております！そしてご指摘を受けるまで気づかなかった私自身に吃驚しております、教えていただき感謝です！！ (2023年3月19日 4時) (レス) id: febc79156f (このIDを非表示/違反報告)
朱憑さぶ - 前作から来ました。とても素敵な作品ですね！お師様Pにはたまらない作品でのめり込んでしまいました、！ところでなのですがオ,リ,フ,ラ立っちゃってます…早々に回収していただけると助かります… (2023年3月18日 23時) (レス) id: 2394de2614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みん。 | 作成日時：2023年3月9日 23時
