オトコトモダチ。 【JK】

意気投合〜回想〜 ページ4

*




脈絡のないその言葉に私はどぎまぎして、



過去の自分の行いを顧みてみるけれど、特にこれと言って思い当たることもない。




「ん、何を？」



なんて、平静を装ってみれば


「進路用紙。さっき先生の机に置いてあったから」




「あ、そーなんだ。」



別に進路用紙ぐらい他人に見られようがどうってことない。


幾分ばかりか拍子抜けして、ほっと胸をなでおろした。


もっととんでもないこといわれるのかと思ったのに。



「うん、それでさ。」


「うん」


「俺もK大志望だからさ、なんか勝手に親近感沸いちゃってさ(笑)」


「え？」



ばっちり視線が絡み合って、そうしたら、


ジョングク君は顔をくしゃっとさせて笑った。


待って...。その笑顔は反則だって。


これはモテる。


私はやっと彼にキャーキャー声をあげる女子の気持ちを理解した。




「...そーだったんだね、うちのクラス私だけかと思ってた」


「うん、俺も。」


「でも、この前の模試の結果ひどかったから不安しかない」


「いや、俺のがやばかったと思う」


「え、嘘だよ。ジョングク君頭よさそうだもん」


「良さそうだけど良くはない(笑)」




あ、また笑った。


てか、普通に話せちゃってるし。


そうやって意識するとなんだか妙にこっ恥ずかしくなる。




「じゃあさ、せーので言おうよ」


「いいよ」




『せーの！D』




ジョングク君のキラキラした目が驚いたように大きくなる。




「え、まじ？」


「まじまじ(笑)なんだ、ジョングク君意外とやばいんだね」


「だから言ったじゃん。勝手にハードルあげといてそれは傷つく」


「ごめん(笑)、でもお互い頑張ろうね」


「うん、俺Ｋ大以外行く気ねーもん」


「お、強気だね(笑)」


「まーね(笑)」






昨日まで話したことのなかったクラスメイトと意気投合してしまったのは、


火照った肌から滴ったしずくが、制服を汚した季節の事。

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