【オリジナル】たいせつなひと (ページ18)

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そこから、また、前のような関係に戻った

ひとつは、二年生に進級して、同じクラスになったということもあるだろう

私たちの関係は周囲からの注目の的だった

休み時間はよく一緒にいるし

休日は、部活の休みが合えば一緒にでかけるし

毎晩、電話もする

お互いに友達がいないというわけではない

でも、

足りない何かを補うのに、

私は彼以外を考えられなかったし、

彼も私以外を考えていないと思う

「ねえ、もう必要以上に一緒にいるのやめようよ」

みんなからの冷たい視線と

付き合ってないなら、好きじゃないなら、一緒にいない方がいいっていう言葉が

私の心を大きく傷つけた

「なんで？

もしかして、俺鬱陶しい？」

「ううん、そうじゃないよ」

「なら、いいでしょ

だってAいないと、俺、生きてけないもん」

それは私だってそうだ

だったら、付き合ってよ

彼女にしてよ

そう思っても、言えない

「まあ、Aは女子だから、

周囲のことも気になるんだろうけど

俺たちは俺たちだし

色々な関係があったっていいじゃん」

「まあね」

利用されてるだけなのかもしれない

本当は私は彼の優しさに騙されているのかもしれない

思春期を迎えた私は

どうしても、疑心暗鬼になってしまう

「この話はおしまい！」

そう言って彼はほかの話を始めた

ねえ、いっそのこと付き合おうよ

その言葉が言えたらどれだけ楽なのか