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いよいよ、大きな行事を直前に、私は熱を出した
文化発表会1週間前のことであり、
医者にはストレスだと言われた
「お母さん、私、迷惑かけてばっかだ」
「学校の話?」
「うん」
こんな大事な時に休んだら、
クラスにも部活にも生徒会にも迷惑をかける
なんとしても一日で治さなければならない
でも、そう思えば思うほど
焦れば焦るほど
私の熱は下がらなかった
文化発表会3日前になっても、熱は下がらない
やらかしたな、そう思って目をつぶった
夢を見た
あの日の音楽室の夢
泣いている私の隣にいる彼の夢
まだ、半年前のことなのに
すごく、遠い思い出のように感じた
また、彼の隣に座って
彼と笑って
彼に弱音をはいて
彼の前だけで泣いて
そして、また笑いたい
沢山寝たなって思って
ゆっくり瞼を開けた
「蒼琉…くん…?」
起きるとそこには、彼がいた
夢だと思ってもう一回寝た
そしてすぐ起きた
やっぱり彼はそこにいた
「Aちゃんがずっと休んでるって聞いて
心配になったから、来ちゃったよ」
やっぱり彼は優しい
そして人思いだ
「彼女に疑われるよ」
そう冗談を言って笑った
彼も困ったように笑った
そうだなって呟いた
でも、って言って口を閉ざした
そして
「Aちゃんは、
あいつとは違う枠で特別なんだ
大切な人なんだよ
だから、大丈夫」
嬉しかった
でも
嬉しくなかった
否定して欲しかった
私を大切だと思うことも
付き合っていることも
どちらも否定されれば、少しは楽だったのに
どちらも肯定されたから、こんなにも苦しい
「なら、よかった
ありがとう」
うまく、笑えただろうか
私は今どんな顔をしているのか
彼の顔を見るのが辛かった
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とまとちゃん(プロフ) - rei(・v・★) ”蓮依”@ 楽天好きさん» ありがとうございます!! (2018年2月4日 19時) (レス) id: dbb7af4aeb (このIDを非表示/違反報告)
rei(・v・★) ”蓮依”@ 楽天好き(プロフ) - 面白いですね (2018年2月4日 16時) (レス) id: 5c4cf51bfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とまと | 作成日時:2018年2月3日 0時