【オリジナル】たいせつなひと (ページ11)

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部活の時、ある友達が私に言ってきた

「藤崎くん、彼女できたって聞いたけど

もしかして、A？」

「え？私？

違うよ～！」

私は驚いた

そして、確信した

絶対あの女の子だって。

信じたくなかった

信じられなかった

私に彼がいないとダメなのと同時に、

彼も私がいないとダメだと思ってた

「そっか

Aと藤崎くん、

小学校の時から仲良かったから、

絶対Aだと思ったのに」

周りからよく言われる

私と彼は付き合っているのかと。

付き合ってないよ、って答える

仲のいい友達だし、

困った時は助けてくれる親友だよって

友達以上恋人未満ってやつだよって

彼もきっとそう答えたと思う

でも、後悔した

いっそ、付き合ってるよって言えたら

彼に好きだよって言えたら、

彼と本当に付き合えたら

今、こんなに悩まずに、彼の隣にいれたのか

そんなことを考えていると、

彼が帰っていくのが窓越しに見えた

女の子と一緒に

彼女は、小学校が同じで、

この前、彼と仲良さそうに話していた子だ

どっちが告ったのかな

お似合いだな

羨ましいな

そう思う感情と

早く別れればいいのに

やっぱ私じゃなきゃだめだって、
気づいてくれればいいのに

そんな真っ黒な感情が芽生える

彼にとって、私は一体何なのだろう

なぜか涙が溢れた

私の初恋はあっけなく終わった

こんなにも、彼が好きだったのかと、私は驚いた