検索窓
今日:4 hit、昨日:37 hit、合計:25,957 hit

34話,好き、ゆえの嘘 ページ34

“互いに本音でいってみようよ。兵助も、また爆発しそうになったら俺に愚痴を言えばいい。
いざってときに限界が来たら、お前だって困るだろ?”


考えなしに放った言葉だったけど、兵助は覚えてくれていたらしい。

「それで、どうしたんだ。兵助」
「ああ、少し聞いて欲しいことがあってさ……」


* * *


「ってことがあって……勘右衛門も家、厳しいんだろ?
お前もなんか愚痴があるんじゃないか?」

……ん? 俺の家が、厳しい?

あー……もしかして、Aから聞いたのか?

「Aから聞いたんだろうけど、それ嘘なんだ」
「えっ!? ……これまた、どうしてそんな嘘を」

確かに俺の家が金持ちなのは本当なんだけど、厳しいというのは真っ赤な嘘である。
むしろ俺に対して両親は激甘で、わがまま放題言っても許されるような感じだ。


「今となっては恥ずかしい話なんだけど……俺がAのこと好きなのは知ってるよな?」
「えっ……なんとなくそうだろうとは思ってたけど。まさか本当にそうだとは……」

……鈍そうな兵助に勘づかれるほど俺の態度ってわかりやすいのに、Aって相当な鈍感なんだな……。


まあ、それはいいとして。


「俺はAの王子様になりたかったんだよ。それで、王子様といえば身分差の恋ってやつだろ。
……安直な俺は、それに則って厳しい家の子だとAに嘘をついたんだ」


俺に甘い両親は完全に俺の事情を理解していて、
Aのいる場ではその設定を忠実に守ってくれている。


「……で、こんな話をした後にやりずらいとは思うんだけどさ……」

35話,その蕾ついに花開いて→←33話,思い上がりと仲間



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
25人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

小桜(プロフ) - 勘右衛門とくっつくと思ってたらまさか……! ハッピーエンドっぽいけど何か悲しい…? でもストーリー凄く良かったです! (2022年9月15日 18時) (レス) @page50 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺(プロフ) - でる太さん» いつまでも待ち続けます!頑張ってください! (2019年10月4日 2時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 竹林寺さん» 感想ありがとうございます!新作については気長に待っていてくださると嬉しいです! (2019年10月3日 7時) (レス) id: c96608a168 (このIDを非表示/違反報告)
竹林寺(プロフ) - うおおおおおおお…切ない…何か勘右衛門可哀想になってきた…とっても面白かったです!新作ももしよければ作ってください!! (2019年10月3日 1時) (レス) id: e33c68ca3b (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 空さん» 感想&応援ありがとうございます!かっこいい尾浜を目指しているのでとても嬉しいです (2019年8月11日 6時) (レス) id: c96608a168 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:でる太 | 作成日時:2019年7月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。