第五十七話 ページ7
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第五十七話
【罪の自覚】
立花視点
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倉庫前へ行くと伝七と兵太夫が居て、私を見るなり私に抱きついて私の胸元に頭を擦り付けた。
……その行動だけで、後輩達の苦労を全て知ったとは言わない。
しかし、私がいかに間違っていたのかを思い知って、しゃがんで二人をいつになくきつく抱きしめる。
「……おーい、どうしたんだふたりと、も……」
倉庫から藤内が顔を出し、私の顔を見るなり生首フィギュアを落として、こちらに走ってきた。
私からも藤内に近寄って、再び抱きしめる。
「……すまない。
私がどうかしていたんだ。辛い思いをさせてしまってすまなかった」
すると耳元で藤内がいいんですよ、と涙声で呟いて、そのまま私から離れた。
「僕たち、先輩が戻ってきただけで充分嬉しいですから!」
そう言って笑う後輩達に、私も微笑む。
すると、藤内が先ほどと打って変わって浮かない顔をしているのを見つけ、わたしは声をかけた。
「どうした、藤内?」
「……せっかく先輩が戻ってきたときの予習したのに、実際戻ってきたらそれどころじゃなくて……」
「そうだっ! 先輩、もう一度そちらからいらしてくれませんか!?」
そんな藤内にずっこける私たちは、もうまるでいつも通りに戻ったようだった。
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Y - 作法の絡み最高(*´ー`*) (2023年4月25日 12時) (レス) @page8 id: 8c23c94f05 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 面白かったです……! この後の夢主ちゃんはどうなったんだろう…? と妄想を膨らませています。性格の悪くない天女様が好き。素敵な作品をありがとうございました! (2022年6月21日 22時) (レス) @page48 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
千代女 - あれ…おかしいな、目から汗が…? (2019年3月22日 11時) (レス) id: 1ee468ee2e (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 千代女さん» コメントありがとうございます!それは偶然ですね、私も驚きです笑お読みいただいてありがとうございます! (2019年3月13日 16時) (レス) id: 6e253600bd (このIDを非表示/違反報告)
千代女 - はじめまして!!夢主の名前を千代女にしていたのですが、ひなちゃんの本名があかされ、驚きました。こんな偶然あるんですねぇ…。 (2019年3月13日 13時) (レス) id: 4e82c1b886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でる太 | 作成日時:2019年2月12日 18時