第七十九話 ページ29
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第七十九
【そんな気がした】
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「……あの。一つ、聞いてもいいですか」
そう聞くと、天女様はいいよ、と微笑みながら言った。
「出発のとき……私を誰と重ねていたのですか?」
天女様の瞳が、揺れて、私の瞳をしっかりと見ていたのが逸らされる。
あからさまに動揺した天女様に、
私はやはりなにかあるのだと確信した。
天女様は固まっていると思えば涙をいつの間にやら流していた。
そして、私が天女様の涙を拭ったとき、彼女は確かにこう呟いたんだ。
“……本当に、そっくり…………”と。
「……無理には聞かないって、言ってたよね」
「確かに言いましたが……天女様のことを、私はあまりにも知らなすぎる気がしたので」
静かに、天女様の瞳だけをじっと見つめてやる。
しばらくして、観念したらしい天女様はぽつりぽつりとつぶやき始めた。
「結論から言って、真島くんと重ねていたのは……数年前に亡くした私のお姉ちゃんなの」
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Y - 作法の絡み最高(*´ー`*) (2023年4月25日 12時) (レス) @page8 id: 8c23c94f05 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 面白かったです……! この後の夢主ちゃんはどうなったんだろう…? と妄想を膨らませています。性格の悪くない天女様が好き。素敵な作品をありがとうございました! (2022年6月21日 22時) (レス) @page48 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
千代女 - あれ…おかしいな、目から汗が…? (2019年3月22日 11時) (レス) id: 1ee468ee2e (このIDを非表示/違反報告)
でる太(プロフ) - 千代女さん» コメントありがとうございます!それは偶然ですね、私も驚きです笑お読みいただいてありがとうございます! (2019年3月13日 16時) (レス) id: 6e253600bd (このIDを非表示/違反報告)
千代女 - はじめまして!!夢主の名前を千代女にしていたのですが、ひなちゃんの本名があかされ、驚きました。こんな偶然あるんですねぇ…。 (2019年3月13日 13時) (レス) id: 4e82c1b886 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:でる太 | 作成日時:2019年2月12日 18時