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少しずつ脳が覚醒し出した瞬間、バチィンッという音と共に俺の左頬がジンジンと痛みを訴えてくる。
「いってェッ!」
「いい加減に起きなさい!そして離れて!」
目の前にあるAの少し焦った顔。
ハッとして飛び起きて、勢いに任せて謝るも、俺が寝ていた場所は変わらない。
なら何故、俺の布団にAが…?
「悪い。全く覚えてないんだが、なんでお前が俺の布団に居ンだ?」
尋ねるとAは肩を揺らした。
俺から目を逸らして恥ずかしそうに云うのを躊躇っているように見えた。
そんな顔を今まで見たのは少なく、俺は少しばかり小さな期待を胸に抱いてしまう。
「…少し、寒かっただけ。悪かったわね、勝手に入って。」
「……。」
思わず布団に突っ伏した。
可愛い可愛い可愛い…。
つうか、俺は目の前の好きな女をこの腕に…。
「あ"ぁ、無理…。」
「だから悪かったって云ってるでしょ!そこまで云わなくていいじゃない!!」
「そうじゃねェ…ッ。」
まだ温もりがある…、布団にもAの匂い…、
「っ片付けろォッ!!即行で片付けろッ!!!」
「はあ?何。情緒不安定?顔赤いし。」
「うるせェッ!!」
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2024年2月5日 20時