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出来るだけ早く来ると云ったものの、昨日の今日で入りづらい…。
開ければこの先には彼が居る。
そう思うと手が、足が動かない。
取り敢えず深呼吸…、
「橘?何突っ立ってンだ、早く入れよ。」
「うわっ!か、幹部!?」
「…そんなに驚く事かよ。」
「いや、てっきり中に居られるのかと…。」
「トイレ位行くわ。」
「ですよね…。」
まさか後ろから現れるなんて思わなくて、心の準備が出来ぬまま幹部と対面してしまった。
一緒に執務室に入って仕事を行う。
此処まではいつも通り。
「なァ橘。」
「は、はい!?」
「…今日の分終わったら話がある。」
「は、はい…。」
そう云われてはなかなか仕事に集中出来ず手が止まる事が何度かあって、その度に頭を振って雑念を払う。
何を云われるか分からない不安が心を埋め尽くす。
そんな下がった気持ちのまま漸く仕事を終わらせると、隣には彼が居座る。
「昨日の事なんだが…、」
「はい…。」
「その…、お前に逃げてるって云われて、ムキになったのは俺が半端な気持ちだったからで…。正直、ビビってたと思う。練習なんて云って予防線張って、逃げ道を作ろうとしてた…。悪かった。」
誠心誠意下げられる頭はゆっくりと元の位置に戻る。
「今度は本気でお前を貰う…。」
「…うん。」
「だから、あ、明日…、俺は久しぶりの休みだし、姐さんが良いって云ったら有給、取れねェか…。」
「え…。」
「……っデート、したい。」
顔を赤くして逸らす彼は只の普通の青年だった。
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陽奈(プロフ) - やばいやばいやばいやばいです!!!!中原幹部も橘ちゃんも愛おしすぎて辛いです!!!!!!🥹 (3月17日 20時) (レス) @page46 id: c0bc1d8a43 (このIDを非表示/違反報告)
琉菜(プロフ) - 赤面しすぎて、キュンキュンしすぎて苦しいです、笑。かっこいいだけじゃなくて、可愛い中也さん……最高でした! (1月31日 4時) (レス) id: 130df2b699 (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - 今リアルの方が色々しんどくて嫌になりながら占ツク開いて主様のお話読んでたらもうこっちの世界幸せすぎて涙出てきました🥲素敵なお話ありがとうございます😭😭 (1月22日 19時) (レス) @page41 id: c0bc1d8a43 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜おもち - この小説見て中也すきになりました。やばい。これ以上推しを増やしていいのだろうか… (1月4日 19時) (レス) @page7 id: 536ced7b0d (このIDを非表示/違反報告)
陽奈(プロフ) - あの、、なんかもう今年始まったばっかりだけど、1年分のキュンキュン使い果たした気がします😇💗 (1月4日 0時) (レス) @page32 id: c0bc1d8a43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2023年12月9日 20時