【中原中也】三枚上手な彼女

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「あの…、もう帰りたいんだけど。」

「まだ駄目だ。」



今の私のこの状況。

ソファにて中原君の脚の間に座って後ろから抱き締められている。

もしかすると中原君て案外甘えたがりなのかも。



「…何でそんなに普通なんだよ。前はもっとおどおどしてたろ。」

「表情に出してないだけです。」

「なんか俺だけが子供でムカつく。」

「子供？何処が？」

「せっかくまた付き合えて嬉しくて離したくないって思ってるのに帰りたいって云うから。…ムカつくと云えば、手前太宰と飯に行ったンだったな。俺というものがありながら。」

「え、今？」

「この際だから云っとく。太宰にはもう会うなよ。後、簡単に太宰に懐いてやがったな。」



ヤキモチ焼きな中原君。

うん、なかなか可愛い。



「おい、何ニヤついてやがる。」

「んー、中原君って可愛いね。」

「なっ！」



恐らく後ろで顔を赤くする中原君を想像すると更に口元が緩む。



「くそっ、前まで俺が上手だったろ…。何枚も俺の上を取ってンじゃねェ…。」

「そんな事無いよ。歳下は甘やかしたくなるの。」

「ふぅん。ンじゃ、もっと甘くしてくれンのか？」



手を取られて甲に彼の唇が当てられる。



「君がいい子だったらね。」



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