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90話 ページ41
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朝日が昇り、いつも通りの朝の支度を終えて探偵社に出社した私は自分のデスクに鞄を置いて椅子に座った。
鞄に顔を埋めて、はあ、と長いため息を付いた。
昨日、太宰にキスをされてしまった。
何故か分からないけど泣いてしまい、焦った太宰は私に何度も謝りながら家まで送ってくれた。
「三上、体調はもう良いのか。」
「ん…。」
顔を上げずに掛けられた言葉にもう大丈夫だと云うように親指を立てた。
「まさか敵対しているポートマフィアの幹部に看病されてるとはな。探偵社の顔を潰すような事は慎め。」
「…中也君は優しかったわ。」
「A、こんな事行ってるが国木田だってアンタを心配してたんだよ。」
「与謝野先生！ない事を喋らんでください！」
「知ってます。国木田っちはそういう人だって。」
始業の時間まで顔を突っ伏して考えていた。
どうして太宰は私にキスをしたのか。
どうして太宰にキスされて泣いてしまったのか。
どうしてキスされた直後に彼の顔が頭に浮かんだのか。
もう何も考えたくない時に限って、彼奴は私に関わろうとしてくる。とん、と肩に手を置かれて振り向くと昨日の事など何も無かったかのような笑顔の太宰。
「今日のお昼、一緒にどうだい？」
「…ええ、いいわよ。」
断る理由なんて私には無い。
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作者名：汎用うさぎ
| 作成日時：2023年4月25日 22時
