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67話 ページ18
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でもどうして中也君から出掛けようと誘ったのか。
「まあ、この間の借りっつうか、詫びっつうか…。」
「気にしなくていいのに。私も気にしてないし。」
「気にしろよォ！」
「へ？」
「あ、いや…。」
やっぱり情緒不安定だ。
ようやく注文した品が届いた。目の前にあるプリンが輝いて見え、ふへ、とだらしない表情になってしまう。
そしてまたもや前からゴンッと音がして肩が跳ねる。
「わり、トイレ行ってくる…。先に食ってろ。」
そう云って席を立つ中也君。
もしかして疲れてる？無理とかしてる？
彼を心配しつつ、先に食ってろの言葉に甘えて一口だけ口に含めば、舌の上で蕩ける上に濃厚なミルクに頬が落ちてしまいそうだ。
片手を頬に添えて上品な甘さに感動。
「お、姉ちゃん幸せそうに食ってんな。」
「一人？相席いい？」
「幸せですが一人でも無いですし、相席はお断りします。見えませんか？私の前にも珈琲があるのですが。」
「友達？女の子？俺らも混ぜてよ！」
視線を上に上げて考える。
友達と云えば友達？だけど敵対組織の幹部と友達と云っていいのか？
むむっ。
頭の中身を整理していくその時間が彼等には長く感じたのだろう。一人が私の隣に腰を下ろした。
「ねね、名前は？何て云うの？」
「歳は？いくつ？」
そんな彼等の背後に姿は見えないけれど、黒くておぞましい何かが見えた気がした。
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作者名：汎用うさぎ
| 作成日時：2023年4月25日 22時
