イライラするのは貴方のせいです

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「坊主が何か失礼をしましたか。」

「いえ。少し話をしていただけなので。」

「だってお姉さん、安室さんと知り合いのはずなのに初対面だって言うから！」



実際、安室さんに会うのは初めてなんだよね。

と心のなかで呟く。



「安室君、そうなのか？」

「ええ、まあ。」



この状況の打開策は何かないか、と思考を巡らせるけど何も思い浮かばない。

そんな時声を上げたのは降谷だった。



「きっと恥ずかしかったんですよ。なんせ、僕と七瀬さんは結婚を約束したばかりなので。」

「……え？」



結婚！？と声を上げた蘭さんと毛利探偵。

コナン君だけは、私をじっと見上げる。



「そ、それは本当か！」

「はい。ようやく返事が貰えて。」



全然無い事をペラペラ喋ってるけど、その後はどうするつもりなの。

結局は結婚する前に別れたって話になるだけ。



「式は挙げるんですか？」

「彼女は目立つのが嫌いなようで…。」

「どうせなら見てみたいですな。純白のウェディングドレスを身に纏った七瀬さんを。」

「お父さん！」



三人はワイワイとはしゃいでいて、私はくいくいと袖をコナン君に引かれた。



「お姉さん、本当に安室さんと結婚するの？」



この純粋無垢な子供に嘘なんてつけるわけない。



「いえ。そんな話した事ないですし。そもそも付き合ってすらいませんから。」



コナン君はにっこりと笑って、お姉さんとお話出来て良かったよ！と手を振って毛利探偵と蘭さんと一緒に店を出た。



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