検索窓
今日:3 hit、昨日:24 hit、合計:178,265 hit

第三十六話 ページ37

.




阿伏兎side




「よォ、団長。随分と大人しくなったじゃねェの。いつもは嬢ちゃんの顔見たら盛ってたくせになァ。」

「お前には関係ないだろ。」

「だがなァ…。」

「て、言った。Aは悪くない。」




あらあら。

思ったよりきちゃってる感じ?


戦場で生きてた兎が、寄り添える場所を見つけちまったんだ。精神的に参ってんだろな。




「どうでもいいが、ちゃんと嬢ちゃんと仲直りしとけ。このまんまじゃ、他の男に取られてもしんねェぞ。」

「それは、嫌だネ。」

「え?」




思わず聞き返してしまった。

団長の口から嬢ちゃんを取られるのが嫌だ、とはっきり聞いたのは初めてだったから。




「だ、団長。まさか嬢ちゃんに惚れ…。」




俺の発した言葉とほぼ同時にバンッという音が部屋に響いた。

顔スレスレにめり込んだ銃弾。




「うるさい。殺すよ。」

「お、おお。すまん。気付いてたのね。」

「何。俺が鈍感だって言いたいの。」

「滅相もない。」




珍しく顔を赤くさせた団長。

気付くのおせェな。
ま、まだまだひよっこな団長には大きな進歩だと俺は思いたいねェ。




「A、絶対俺の事嫌いになった。」

「そりゃ、そうだろ。」




バンッと再び音がして、さっきとは反対の顔スレスレに銃弾がめり込んだ。

何?否定して欲しかったの?
おじさん、そこんところ分かんないなァ。




「まあ、それは嬢ちゃんに聞いてみるこった。」

「……阿伏兎が聞いてきてよ。」

「自分で行け。」



ヘタレとなってしまった団長に、どうにかしてケツを叩いてやりたいのが山々だが、本当に叩いてしまえば俺の命はない。

だから、おじさんには背中を押す事しかできねェ。




「嬢ちゃんなら今、高杉の旦那といるだろうな。」

「シンスケか…。」




ポツリと呟いた団長。

そして俺は次に発した団長の言葉に耳を疑った。




「Aは俺の事が好きって言ったじゃん。」




.

第三十七話→←第三十五話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (108 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
260人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 神威 , 吉原   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。