第十一話 ページ12
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初めて見た彼の眉の下がった表情。
青い瞳は微かに揺れて、その目には私が映っている。
「笑えよ。いつもみたいに俺を感じろよ。」
「ちゃんと、感じてる。」
「ならもっと嬉しそうにしろよ。」
「……ごめん。」
早く私に飽きて。
こんな女はいらないって捨てて。
「やっぱり神威でも駄目。私を最高に満足させる男なんてこの宇宙でもいない。」
少しはだけた着物を整えていると、ドアの方から低い笑い声が聞こえてきた。
「神威が血相変えて帰ったかと思えばこんな所で女と油売ってたか。お前も変わったな、神威。」
「シンスケ。余計な事は言うな。」
「おめェが本当にその女が大切ってならちゃんと繋いどけ。だがな、大切な女が泣いてまでそばにいるってなら時には離してやる事も必要だぜ。」
「別に俺はこの女を大切だなんて思っちゃいない。ただの暇潰しさ。」
片目に包帯を巻いたキセルをもった男。
恐らくあの人も地球人。
私は神威の胸をそっと押し返してゆっくり首を振る。
「これからはちゃんと大切な人としなさい。」
神威の腕から抜け出し、包帯を巻いたシンスケと呼ばれた男の前へと立つ。
「私を、地球に連れてって。」
「俺は構わないぜ。丁度話し相手が欲しかった所だ。」
体の向きを変えると肩に手を回された。
私は振り返らず神威に言った。
「楽しかった。ありがとう。」
私はシンスケと共に地球へ向かった。
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ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時