第二十二話 ページ23
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痛む腰に手を回され引き寄せられる。
「決まってるだろ。何もかも違う。Aの弱い所も知ってるのは俺だけダ。」
「これはこれは。先を越されちまった。言ってみてェよ。そんな言葉。」
「もう無理だと思うヨ。」
「そんな事ない!おじさんはやれば出来る。」
二人のふざけあった会話を聞くのは久しぶりで、無意識に口が緩む。
「そうだ、団長。部下が今後の事を聞きたがってたぜ。」
「阿伏兎が適当に言ってヨ。」
「このすっとこどっこい。仮にも団長っつう立場だろ。たまには団員の見本となって見せろ。」
「ちぇ。」と可愛く不満を言葉にした神威は私から離れる。それに少し寂しさを感じたのを悟られないように「行ってらっしゃい。」と見送る。
「すぐ終わらせるから。」
軽く触れた唇に私は手を当てる。
ここに残ったのは私と阿伏兎さん。
「嬢ちゃん。団長と上手くやってくれてるようだな。助かるぜ。」
「私は何も。」
「嬢ちゃんが地球に戻った時、団長なんて手が付けれなかったんだぜ。」
嘘だ。
そう思ったけど阿伏兎さんの疲れた表情で本当だった事を察し、小さく謝る。
「謝る事ァねェよ。団長が戦い以外で生き生きしてんの初めて見るし、嬢ちゃんが戻ってきてくれて良かった。」
私にも戻ってきて良い場所があった。
目を伏せて、改めてお礼を言う。
「いいって事よ。ま、それはどうでもいいんだ。俺が聞きたいのはこっからだ。」
「はい。」
「嬢ちゃん。団長の事、好きか?」
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ゆる - 面白かったです!!神威可愛いなー(ノ≧▽≦)ノ (2020年5月13日 11時) (レス) id: 647e80459a (このIDを非表示/違反報告)
りなりー - かわいい、カワイイ、カワ(・∀・)イイ!!キュンキュンしました。大好き! (2020年5月1日 1時) (レス) id: 6dff351985 (このIDを非表示/違反報告)
矮俚好 - うわ、うわ、うわ、うわ!(訳:最高!神!とりあえず……最高!)←伝われ(願望) (2018年1月11日 20時) (レス) id: a1d4539828 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - 面白かったよ、これからも頑張ってねー。(/・ω・)/ (2017年8月21日 5時) (レス) id: dd49ad89fc (このIDを非表示/違反報告)
汎用うさぎ(プロフ) - いちごミルクさん» 読んでいただき、ありがとうございました! (2017年8月3日 10時) (レス) id: 8e8f377fcc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:汎用うさぎ | 作成日時:2017年5月10日 22時