:QK: 短編集（BL）

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川上 目線

伊沢さんが、俺に依存するように。
ずっと俺と一緒に居られるように。

嘘をついてみた。

彼は動揺して、個室に篭ってしまった。

ﾆﾔｹが止まらないから、廊下ですれ違った山本に｢どうしたの、そんなに面白いことでもあったの？笑｣と言われた。

｢すっごい面白いこと、あった｣と返しておいた。

暫くしてから個室を覗いてみると、無言でｶｯﾀｰを握る伊沢さんの姿があった。

なんて愛らしい。俺のために。

見て、と言われてその腕をこちらに出された時は、笑いを堪えるのに必死だった。


可愛い。すごく、可愛い。

ぎゅぅ、と彼を抱きしめる力を強めると、彼は小さく ん と返した。

あぁやっぱり、自分は頭が良い。
こんなに、こんなに上手くいくなんて。

こちらに回されていた彼の腕をとって、傷を見る。

川｢…手、痛いでしょ｣

伊｢ちょっと、｣

彼が自分のことを想ってこんなことをしてくれた。

大好きな彼に傷が付くのは嫌だけど、それが彼の愛情表現なら大歓迎、かな。

ひねくれてるなぁと自覚はしている。

川｢可愛いなぁ。伊沢さんは、…．、ほら。今日はもう帰りましょ｣

可愛い、という言葉に彼は少し微笑んだ。

伊｢川上ﾝ家、…今日は泊まる｣

川｢ん、い‐よ｣

最高の1日。
最高に、最低で 最悪なことをしている。そんなことは分かっている。

だけど最高の1日。これで1層、彼は自分のことを愛してくれるようになったのだから。

可愛い可愛い伊沢さん。
俺を愛してくれる彼を俺は愛してる。だからずっと、ずっとずっと、好きでいてくれて欲しいの。

…もしそっちが俺から離れるようなことがあったりしたら、どうしようかなぁ。



ぁあ、そんなことしないように俺の手の中で一生操れば良いんだ。そんな簡単なこと、なんですぐに思いつかなかったかな。

そしたら今日はどうしようか。
まず、俺の家に帰ったら。丁度良い部屋があったかな。
空いてる余りのｸﾛｰｾﾞｯﾄの中でもいいのだけれど。それは少し、彼には小さいかなぁ。

楽しみ、楽しみだ。ふふ、と笑みが漏れる。

伊｢…？川上？｣

川｢、笑 幸せだなって｣

伊｢そ、…｣

俯いて顔を赤くする伊沢さん。


…可愛いなぁ。


…可愛いけどさぁ…


やめてよ、もっと笑っちゃうでしょ。



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私の小説にﾊﾋﾟｴﾝの兆しは見えません;
ただただ可哀想な伊沢さんとｹﾞｽめな川上さん書きたかったんです(. .;)
ﾘｸｴｽﾄありがとうございました！

ﾎﾞﾂﾈﾀその1/あいされている！(早稲田総受け)→←ずっとずっとずっと、それから(新編集長×地理)":茶々さんリク:

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