:QK: 短編集（BL）

ずっとずっとずっと、それから(新編集長×地理)":茶々さんリク: ページ21

伊沢 目線

怖い。

俺は君に捨てられるのではないか。

嫌だ。そんなの、絶対に。

大好きだから。愛してるから。他の誰よりも君のことを知っているし、他の誰よりも君のことを愛す自信がある。

だから捨てないで。行かないで。

ｶｯﾀｰﾅｲﾌを強く握りしめて、刺す。

深い。今日は深いなぁ。
これは俺の君への気持ちが見えるようになったもの。真っ赤で綺麗でしょ。

川｢伊沢…さ、…別れよ。俺、好きな人…できた｣

やめてくれ。そんなの知らない。
ずっと俺だけ見てくれるって言ったのはそっちでしょ？

あぁ思い出したくもない。今日はなんて最悪の日なんだろう。

突然川上から別れを告げられてからというもの、何も考えられなくなってｵﾌｨｽの個室に閉じこもった。

どうしてかなぁ。どうしてかなぁ。
どうしてその子の方が好きなの？俺が1番じゃなかったの？


手首は怖いから。
手首の反対側に、深く、深く切り込みを入れる。
半周切り込みを入れたら、赤いﾌﾞﾚｽﾚｯﾄの出来上がり。

川｢……ぃ、ざわ｣

ｷｨ とドアを開けて川上が入ってきた。
今ならまだ許してあげるから、さっきの言葉は撤回してよ。

伊｢見てよ川上。綺麗でしょ、｣

そうして赤に塗れた腕を見せびらかす。

川｢…、ご．ごめん伊沢…。俺が、さっきのは俺が、間違ってた．から…｣

やっぱりそうだよね。あんなの違うよね。勘違い、唯の愛のある勘違い。

伊｢そうだよね、そうだよね。川上そんなやつじゃないもんね｣

川｢ほ、んとに…ご．めん、やっぱり1番は伊沢、だよ｣

その言葉が大好きなんだ。君にとっての1番は俺じゃなきゃ。

伊｢知ってる、．そんなの、｣

ぎゅ、と川上に抱きしめられた。この匂い。この感触。心地が良い。

俺はやっぱり、俺のことが好きな君を愛してるんだなぁ。俺のことが好きじゃない君は君じゃない。

そんなのしらないひと。、だから。

この時間だけ、ずっと長くなればいいのに。

-→←腐男子小話(多cp)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す