天使が三人 ページ4
あの時感じた魔力、それは間違いなくゼル君達……つまり、僕の幼馴染達の魔力も含まれていたんだ。あの時、ゼル君達は封じられたはずなのに、なのにどうして……。
そんな事ばかり考えながら、ただただメリオダスの所へと走る。何も知らない人達からしたら、なんでそんなに必死に走っているんだって思われてしまうかもしれない。
でもでも、焦らないといけなかった。もしもの事があったら僕は嫌だから。
……また、独りになっちゃうのは辛いから、苦しいから。
走っていると、少し離れた所に見覚えのある姿があった。きっと、僕と同じく感じたんだと思う。
「────メリオダス!!」
僕はその姿めがけて抱き着いた。身長は僕の方が高いけれど、それでもメリオダスはふらつくこと無く僕を受け止めてくれた。
「あれ、A? どうしたの走ってきたと思えば団長に抱き着いて……」
「A様?」
不思議そうにして僕に声をかけてくれるディア達の声も、今の僕にはあんまり聞こえなくて、恐怖で震えてきた身体を、表情を隠すようにメリオダスの胸に顔を押し付けた。
「……A、大丈夫だ。俺がいるだろ?」
メリオダスはそう言って僕の背中と頭を優しく撫でた。その声も手つきも、とても暖かいもので、その暖かさに縋るように僕はメリオダスを強く抱き締め、眠った。
眠る直前、ふと見えたメリオダスの不安気な表情が、酷く頭に残った。
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叶 - パスワードはなんですか 教えて欲しいですッ!! (2022年12月29日 16時) (レス) @page9 id: 568bdf2334 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - パスワードがわかりません (2022年5月17日 20時) (レス) @page9 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロりんご | 作成日時:2018年10月2日 16時