ふわふわくん【男主】

ふわふわ其の三十五 ページ37

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其の後無事に探偵社に戻ったA達は、自身の家に帰って居た。
太宰も又、自身の家に帰ろうとして居たのだが
Aに話が有ると云われ、Aの家に居た。






「…で、如何したの？こんな時に話が有るって…」








『…治は…織田さんの影響で今此処(探偵社)に居るんでしょ…？』








「嗚呼…そうだよ。でも其れが如何かしたのかい？」








其れを今から話す事と関係が有るのかと云いたげな声色で太宰は問う。
Aは暗い表情でごんを強く抱き締め乍ら返事をする。







『…僕も、同じだから…』








「同じ…？」








Aの言葉がいまいち判っていないのか、如何云う事だと太宰は云う。







『…治が…織田さんの影響で光に入った様に…

僕もある人の御蔭で…今此処に居るんだ…』









「…其の話は、今からAが話す噺と関係が有るのかい？」







『…有る…。前に治が僕に聞いてきたでしょ…？

如何して僕が探偵社に居るのか…って…。

…其の噺をしようと思ってね…』








漸く話す決心が出来たからと付け足した様に話すA。
そんなAの発言に納得した様な表情をした太宰。
Aは云う。









『…人形だった僕が…マフィアから抜け出せたのも…

今此処で働いて居るのも…彼の御蔭でだからね…』






そう云っているAの声色は、淋しそうな声色だった。





「其の、彼の名前は…？」






『…治も…何度か会った事は有ると思う…』








［僕の御世話係をして居た人だからね］







其の言葉を聞いた途端、太宰は誰か判った様で有った。
そして［真逆…］と呟く。








『…其の人の名前は__________』









其の名前を聞き、太宰は［矢張り彼か］と云ったのだった。

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