山田家四男、ちびっ子くん。【ヒプマイ】【男主】

めはわらってません ページ19

Aとはぐれた。
しかも、最悪なことにヨコハマで。

ヨコハマと言えば、あの左馬刻たち率(ひき)いるMAD TRIGGER CREWのメンバーたちがいる場所で、本来ならこんな危険な場所に幼くて可愛くて天使のような弟を俺が連れてくるわけない。

ないんだが……Aが、ヨコハマにある赤レンガ倉庫の近くにあるクレープ屋に行きたいと言いだしたから連れて来た。

二郎と三郎も、一緒にいる。
俺たち三人で手分けしてAを捜してるが、見つかる様子がない。

……まさか、誘拐とかないよな？
A可愛いし、人を疑うことを知らないからもしかしたら不審者とかについて行ってたりしないよな？

あー、嫌なことしか考えれねぇ。
そもそも、なんでヨコハマなんだよ。
ヨコハマって左馬刻たちいるだろうが。

あんな奴らにAが会ったら何されるかわかったもんじゃねえ(いやぶっちゃけ可愛がられると思うけど俺が会わせたくない)。

「あー！ いちにぃいた！ さまときおにぃさん、いちにぃいたよ！」
「そうか、ならこっからはお前一人で行けるな？」
「えー、さまときおにぃさんもいっしょにいこー？ しりあいなんでしょー？」

「いや、違う人違いだ」
「そーなの？」
「おう、俺は山田一郎とか言う奴は知らねー。分かったか？ だからあとは一人で行け」
「じゃあ、あいさつしないとだね！！」

「は？」
「？ だってだって、さまときおにぃさんいいひとだもん！ いちにぃにも［しょうかい］したい！！」

……なんだあれ。
なんで俺の可愛い可愛いAが左馬刻と手を繋いでるんだ？

そんでもってなんで左馬刻はさりげなく嘘ついてんだAに嘘つくなよ。

てかA可愛い。
なにあれ、良い人だから俺に紹介したいって……どんだけ天使なんだよ尊い。

「むー、わかった！ いちにぃのとこ、ひとりでいくね！」
「A！！ お前どこ行ってたんだ！？ 捜したんだぞ？」
「いちにぃ！ あのねあのね、さまときおにぃさんがね、いちにぃたちのこと、いっしょにさがしてくれてたんだよ！」
「おー、そうなんだな！ ありがとうございます！」

俺に駆け寄ってくれるAを抱き上げ、Aには見えないように口角だけを上げた(ニコリと笑った)。

左馬刻は何か言いたげだったけれど、俺としてはさっさとここを離れたかったので、お礼を言うだけ言ってさっさと立ち去った。


【やっと見つけたと思えばMr.HCと手を繋いでいた四男坊をみて密かにヤキモチを妬いたMC.B.B】

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