八話 ページ9
〈夢主くんと探偵社の一寸疾い初詣(後編)〉
「明けましておめでとうございます、皆さん」
「おめでとうございます」
その後、お参りする少し前に谷崎兄妹と合流した江戸川達は一緒にお参りする事になった
そう云って兄に抱き着くナオミ。其の姿はまるで恋人の様である
そして他の者達はそんな二人を見て見ぬ振りだ
「さ、お参りしよう!」
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「そう云えば、皆さん何をお願いしたんですか?」
そう云って聞くのは初詣にも関わらず麦わら帽子を頸に掛けている少年、宮沢賢治である
そして宮沢の質問に笑みを深くする者、唯ニコニコしている者、表情が変わらない者と様々な反応をしている
「太宰がいい加減に俺の理想を狂わさない様な行動をする事だな」
そう真顔で云う国木田
「今年こそ自 殺を成功する事かな」
にこやかな笑顔で云う太宰
「兄様と______」
「ちょ、ナオミ!?」
……此処では口に出せない様な内容を口走ろうとするナオミ、そしてそれを止めようとする兄、潤一郎
「又、クレープ食べたい」
「あはは……」
そう云って中島の方をジッと見る泉、そしてそんな泉を苦笑し乍ら見る中島
「Aはなんて願ったんだい?」
そう云ってAの方を見る太宰
対するAは下を見ながらモゴモゴと聞こえるか聞こえないか程度の音量で云った
『……今年も又……探偵社の皆と笑いあえますようにって……お願いした……』
Aの其の声は探偵社の皆には届いていたらしく、皆目をパチクリとした後微笑んだり、Aの頭を撫でたりと嬉しそうな反応をみせたのだった
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「僕もそう思います!!」
「私もそう思う」
「ぼ、僕もそう思うよ」
「私のAが可愛すぎてつらい」
「太宰なんかにAはあげないからね」
『……賢治と鏡花と敦、後でおにぎり買ってあげる……
後独歩顔赤いけど……なんで……?』
「気のせいだ。赤くなどなっとらん」
「おや、可愛いお願いじゃあないか」
「ほんと、可愛いですわね。ね〜兄様?」
「そうだね、ナオミ」
「……(今度、一緒に猫でも見ようか)」
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作者名:クロりんご | 作成日時:2018年4月23日 22時