六話 ページ7
〈夢主君と鏡花ちゃんと敦君〉
「ねぇ、何してるの? 依頼は?」
そう云って泉とAの二人を見る中島。
此の三人は今日一緒に依頼をする事に成っていた。
だが途中でAがおにぎりを売っている店を見つけ
泉はクレープを見つけ其の店でクレープを買っていた。
『…其処の店に…おにぎりが有ったから…』
「クレープ食べたかったから」
そんな二人の反応に中島は思わず溜息が漏れてしまう。
泉は普段はしっかり仕事をしているのだが、仕事に行く前に太宰から、
[何をすれば善いのか分からなければAの行動を真似ると善い]
と云われ、真似ただけなのだ。
そんな事を知らない中島は頭を抱える。
泉は又後で注意すれば良いだろう。
だが問題はAだ。
自由で、
彼に関しては太宰とは又違った意味での問題児なのだ。
何時も国木田が事有る事に注意や説教をしているが全くと云って良い程に
其の説教内容を覚えていない。
全くと云って良い程に。
如何しようかと中島は悩み始める。
そんな時に、一つの
其の内容を読んだ途端、Aの周りには花が舞う。
そして云った。
『…今日行く予定の依頼…明日だったらしいよ…。
だから今日は…僕達は社で書類整理だったらしい…。
…なんでも…独歩が間違えたんだって…。
……働き過ぎて間違えたらしい…』
だから今日の依頼は無し。
と続けて云うA。
「そ、そうなんだ」
そして泉とAは二人で目を合わせ、中島に或る物を渡した。
二人の手には其々先程買った物が有った。
「え、これは…?」
『…贈り物…』
「何時もの御礼」
そう云って泉は中島の口にクレープを突っ込み、Aは中島の手におにぎりを置いた。
中島は少しの間固まった後
「二人共、有難う‼」
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此の日からもっと三人の仲が善くなったらしい。
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作者名:クロりんご | 作成日時:2018年4月23日 22時