情報屋【男主】

情報が二十と四つ ページ25

「ねぇ、お兄さん」






『何かな？ 久作君』






僕に向かって可愛らしい笑みを浮かべる久作君に僕もにこやかに返事をする
うん、何でこうなったんだろう





確か昨日は組合の長であるフィッツジェラルド君と仕事のやり取りをして……
その後タイミングを見計らったかの様に林太郎君から電話がかかってきたんだよね
なんでも頼みたい事があるとかで。僕は情報屋であって頼まれ屋では無いんだけれど……
まぁ、可愛い弟子の頼みだし断る気は無かったけど





…………あ、林太郎君に呼び出されてからなぜかこの子の世話を頼まれたのか






「なんでお兄さんはここに来たの？

外でいつもは何もしているの？」






ああ、やっぱり幼くてもそれくらいの疑問は持つか
たしかに今まで見たことの無い人物だろうし






『林太郎君から君のお世話を頼まれたからだよ。

外では情報屋って職業をしているんだ』






「へぇ〜！！ そうなんだね！」






でも、一つ気になっている事がある
久作君の事を、黒服の皆だけではなく五大幹部である中也君や紅葉ちゃん、そして首領である林太郎君でさえ危険視している
それが何故かわからない




見たところ、危険な感じはしないんだけれど
これは、一度聞いて見た方がいいかもしれない






『僕からも質問していいかな？』




「うん、いいよ！」




『……久作君はどうして、座敷牢にいるのかい？』







僕がそう云った瞬間、久作君から笑顔が消える
そして何故か柵のすきまから手を出し、僕を軽く叩いた






そして久作君はさっきとは違った感じのを楽しそうな笑み(凶器のような笑み)を浮かべる







……嗚呼、そう云う事か。だから久作君は危険視されてたんだね
僕は優しく微笑み、久作君の頭を撫でた






久作君は驚きが隠せないような表情をしている
まぁ、それもそうだろうねぇ〜……




「！？ なんで？ なんでお兄さんには異能が効いてないの……？」







________だって僕、久作君の異能力全く効いていないのだもの





__________

極秘情報其の五:異能力は狐火には効かない……？ (なお、真実は不明)

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