情報屋【男主】

情報が二十と二つ ページ23

「そう、犯人は______君だ、杉本巡査」







うん、やっぱり予想通りだね
そして虎君や箕浦君が疑問を持った表情をしているのも、部下君が云い訳を考えているのも予想通り
…………なんか、案外簡単だったなぁ。今回の事件は






『その銃を見せたら、もうバレちゃうもんね？

……自分があの女性を殺 した犯人だって事がさ』






そんな事を思いながら僕は部下君の方を向きながら云う
部下君は図星だったのか、それともほとんど喋っていなかった僕が話したことに驚いたのか、最後の悪あがきの様に、乱歩君に銃を向けた







「今だ敦君、行け！！」






そして部下君が撃つ直前に治君が虎君の背中を押し、見事部下君に直撃
独歩君や諭吉君がやる様な技をきめ、部下君は銃を取り上げられた





…………あの技、独歩君がやってた技に見た感じそっくりなんだけど。見て覚えたのかな？






___________
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「撃つつもりは無かったんです」





そう云って、何故こんな事件が起きたのかちゃんと理由や経緯を話す部下君
僕はそんな彼の事をただ冷たい視線で見つめていた








たまに思う。［つもりは無かった］って良い言葉(都合の良い言葉)だなって
そう云ったら許される事だって沢山ある
事実、悪気がなかったから許されていた人間を僕は沢山見てきた
許されはしなくても、罪が軽くなったりする人間も沢山見てきた



［つもりは無かった］



本当は悪気があった癖にそう云って罪が軽くなった人間も、沢山見てきた
自分の身を守りたいが故に、嘘を吐く人間を、愚かな人間達を



部下君は本当に、撃つつもりも殺めるつもりも一欠片も無かったのだろう
じゃなきゃ、あの遺体の女性を見て辛そうな表情なんてしないはずだし



でもさ、



撃つつもりは無くても、結局彼は自身の愛する人を殺めた
それは事実でしかなくて、どうあがいても変えられない事
何度悔やんでも、何度謝ろうとしても、亡くなった人間は戻らない


例え自身が涙を流したとしても、相手の時間はもう止まったまま




だから今、乱歩君が彼女の最後の言葉を云っただけで、後悔の涙を流してしまうくらいならば、
部下君が最初から犯行を行った事をちゃんと認めて、自分から捕まりに行ってくれた方が良かった気がする……なんてね











僕も部下君とおんなじなのにさ

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