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「名前、聞いてもいい？」
寝室のベッドに寝かせ、安堵したような表情の青年に名前を聞く。
実は、隣だけど忙しくてまだ挨拶にも行けていない。
「光」と名乗った彼は、俺の名前を聞いてきた。
そう言えば、名乗っていなかったな…
「ごめんなさい、挨拶にも行けてなくて。俺は、薮宏太。隣に住んでいるんだ。」
そう言うと、光くんは少し笑ったように見えた。
「光くん、喘息だよね？俺、医者なんだけど、少し診察させてもらってもいいかな。」
「えっ…」
ベッドサイドに座りながら聞くと、光くんは大きな目を少し見開かせて驚いていた。
「ふふっ。ビックリさせちゃった？すぐ戻ってくるから、ちょっと待っててね。」
それだけ言って、一度自分の家に帰り、聴診器を持って戻ってきた。
この一瞬で、光くんは眠ったみたい。
そっと布団を捲り、服の下から聴診器を入れる｡
すると、直後にビクンと震えた体｡
「ごめん、起こしちゃった？」
「…んっ…や…らない」
そのまま聴診を進めようとしたけど、なぜか急に落ち着きがなくなる光くん。
「ん？…大丈夫？どこか辛い？」
手を止めて、光くんの顔を見ると、薄らと涙を浮かべていた。
「やらなっ…くて、大丈夫です…」
そう言ったかと思うと、服の下に置いていた手を両手で押し返された。
「えっ？…いや、心配だから、ね？」
もしかしたら、光くんは聴診が苦手なのかもしれない。
と思い優しく聞くと、ぶわっと涙を溢れさせた。
「んっ、んくっ…おれ、っびょういん、だめでっ…｣
病院が怖い。
そんな風に強い恐怖心を抱いていたなんて思いもしなかった。
「そっか、よしよし…怖かったね。」
抱き寄せて背中をポンポンしながら、落ち着くのを待つ。
この子は、俺がちゃんと守ってあげないと…
と、光くんを見て強く思った。
いま思えば、この時が始まりだったんだ。
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オムライス王子 - 面白くて、ドキドキしながら読まさせてもらっています。続きが気になるので、更新頑張ってください！応援しています！ (2018年3月27日 15時) (
レス) id: 0d3a15936a (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます (2018年3月26日 19時) (レス) id: a96fea6f39 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年3月17日 21時
