2 ページ2
平日の朝。
ピピピッ、ピピピッ…ピピピピピピピピ…！！
大音量で連続する目覚まし音。
「んー…っるさい…………えっ！」
あまりに騒々しい時計を止め、時間を見ると、短針がありえない位置を指していた。
そう、寝坊していたのだ。
慣れていないせいもあって、俺は大慌て。
今日1限からなのに！
いつもは余裕を持って、朝ごはんやお弁当も作っているのに、今日はそれどころじゃない。
ものの5分で支度を完了させ、
後はカバン持って玄関を出るだけ。
のはずが…
「いって…あっ！」
テーブルに思いっきり足をぶつけ、テーブルの上に置いていたカバンが床に落ちた。
しかも、中身が全部出て散乱してる。
急いで、散らばった教科書やらペンケースを雑にカバンに入れ、家を出た。
この時、大事なものを入れ忘れたまま…
そんなことは露知らず、俺はギリギリ遅刻せずに済んだことにホッとしていた。
「珍しい。ヒカがぎりぎりにくるなんて。笑」
物珍しそうに隣に座ったこいつは、山田。
この大学の同じ学科で、よく一緒にいる友達。
「寝坊したんだよ…」
それだけ言って、講義に耳を傾ける。
昼休みになって、改めて今朝のことを話すと、山田は大笑い。
指さしてまで笑うんだから、さすがに恥ずかしい。笑
「っははは！だって、慌てて足ぶつける？面白すぎ。笑」
「そんな笑うなよぉー。俺だってびっくりしたんだから。」
食堂でご飯を食べながら、あまりに笑う山田に抗議する。
「ごめんごめん。ヒカらしいな。笑」
「俺らしいってどういうことだよっ！」
なんて話していると、話題はどういうわけか唐突に変わる。
ひとしきり笑った山田が一息置いて、少し顔を近づけてきた。
「で、ヒカの想い人とはどうなの？」
あまりに衝撃的な言葉に飲んでいた水を吹き出す。
「っ、ゲボゲホッ！想い人って、俺そんなこと言ってないし！」
確かに、山田には最近引っ越してきた隣人がいると話しただけだ。
別に、かっこいいとか、好きとか、そんなことなひと言も言ってない。
第一、その人は男。
ただ、背が高くて笑顔が可愛くて、一種の憧れはあるけど
…ってあれ？これって…
まさか、あの時…
「んなことあるわけ…」
「あるでしょーが。ヒカの顔見てたら分かるよ。引くぐらいニヤけてるから。」
げっ…
「マジ？」
「マジ。鏡で見てみ？笑。ま、俺も応援するからさ。気楽に相談してよ。」
山田…俺、いい友達持ったなぁ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
オムライス王子 - 面白くて、ドキドキしながら読まさせてもらっています。続きが気になるので、更新頑張ってください！応援しています！ (2018年3月27日 15時) (
レス) id: 0d3a15936a (このIDを非表示/違反報告)
saya(プロフ) - すごく面白いです！更新待ってます (2018年3月26日 19時) (レス) id: a96fea6f39 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2018年3月17日 21時
