マイキーの嫁は不良の血が流れるお嬢様【佐野万次郎】 (ページ10)

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手に汗握る勝負ページ10

7月某日

『マイキー！あれやろう！』
「いいぜ。オレが勝ったら今日は浴衣のままする」
『へぇ、私に勝てると思ってるんだ？
　私が勝ったら、この前見つけたかわいいピアス買ってもらうからね』
「プレゼントならいつでもあげるのに。
　おじちゃーん！これ二人分！」
『え、じゃあ私賭ける意味なくない？それ』

え？私達がなにで勝負しようとしてるかって？
ふっふっふ、そりゃもちろん！
欲しい物めがけて手に汗握りながらあの緊張感を味わうこの屋台。

【ヨーヨーすくい】

「・・・(真剣)」
『・・・(真剣)』

プチッ

『あぁーーー！！』

私が2つ目のヨーヨーを持ち上げている途中で紐がプチっと切れた。

「へへっ、オレの勝ち～」

そう言ってマイキーはひょいひょいとヨーヨーをすくい上げていく。
もう5個も取ってる。

「お前、昔から上手いよな」
『ドラケン、マイキーのやつ絶対ズルしてるよ』
「ヨーヨーすくいにズルする要素ねえだろ」
「はい、これケンチンの」
「俺のもあんのかよ」

結局マイキーは10個も取っちゃって、4つだけ貰って後は返した。
私もとったというのに2つ目のヨーヨーをくれた。
もう1個は自分ので、残りの1個はあとから来るエマちゃんのだと思われる。

花火大会があるってことで、花火まで屋台で遊んでるんだけど思ってた倍楽しい。
8月3日のお祭りは私もマイキーも用事があったから7月にある花火デートになった。

結局不良3人組が両手にヨーヨー、食べ物を持って楽しむ図が完成した。

浴衣や甚平を着てる私とマイキーはともかく、私服でヨーヨー持ってるドラケンはおもろすぎる。
しかもとくにすることがないのか、ずっとヨーヨーをべいんべいんしてる。

…ドラケンのくせに可愛い。

パシャ

「おい、なんで撮った」
『エマちゃんにあげる』
「絶対送んなよ」

「オレも撮るー！」

そう言ってマイキーは私の手ごとスマホを持ち上げ、
3人をフレームに入れシャッターを切った。

唐突だったから私もドラケンも微妙な顔してて、決まってるのはマイキーだけ。
なぜこういう時だけ美人スキル発動しない？
くそう。

『ちょっと、ずるいずるい！もう一回！』