ロンリーマイプリンセス【宇井 郡】 ページ14
孤独の中の唯一の光
「笹山1等って、少し容姿が良いからって……」
「本当よね、」
いつも通り飛び交う、私に向けての罵倒。
なんだよ、そんなに私が嫌いなら言いに来たら良いじゃないか。
しかも、戦う力のない局員に言われるなら、尚更。
実際、私の同性の仲間は、いない。
容姿が良いから〜とか、宇井特等と仲良いから〜とか、下らん理由。
宇井さんしか、頼れる人がいないだけ。
「実力のないお前らがほざくなよ。」
なんて、辛辣な台詞を吐き、デスクに向かった。
ある日、いつも通り職場に向け、足を進めていた私に、いきなり頭上から水が降ってきた。
クスクス聞こえる笑い声。
私は気にせず足を進める。逆恨みなんて、慣れっこだし。
しかし廊下で宇井さんに見つかった。
彼は驚いた表情で、猛ダッシュと形容しても良いぐらいのスピードで駆け寄ってきた。
「笹山1等？！どうしたの、なんで濡れて…」
心配したような彼の声色。私は大丈夫の意を込め、言葉を返した。
「あぁ、宇井特等。大丈夫です、気にしてませんし、」
心配しないでください。そう言おうとしたが宇井さんに遮られた。
「良くない。」
その言葉と共に、感じる温もり。抱きしめられていると、すぐには分からなかった。
「え、宇井、特、等」
堪らず視線を泳がす。チラリと見えた、私に水を掛けたであろう女達の顔。信じられないような面持ちだった。
憎悪も、見てとれた。
震え始めた私を、更に宇井さんが強く抱きしめる。
「大丈夫。Aには、『私』がいるから。…ね？溜め込まないで、『私』に頼って？」
「…っはい…っ」
彼の優しい言葉に諭され、私は嗚咽を漏らす。
その間、ずっと彼の腕の中にいたため私は気付かなかった。
「『私だけ』を頼って、A………」
彼の声色が、喜びに満ちていたことも、彼がほくそ笑んでいたことも。
全部、私の嗚咽に掻き消された。
唯一の希望。
貴方に依存してしまう。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
計画性高い腹黒宇井さん大好きです。
宇井さんは、水面下でいろいろ動かしてそうです。
4話ごとに書こうと思う解説。スルーok.→←トゥルーエンドの最果て【宇井 郡】
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六月の眼帯
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あずきいろ
今日の東京喰種キャラ様！
宇井 郡
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ハイル - ありがとうございます。とても面白かったです！次はハイルのやつも書いてほしいです！ (2018年9月24日 19時) (
レス) id: 9ed9edc0b0 (このIDを非表示/違反報告)
:re(プロフ) - 氷姫さん» ありがとうございます(笑)残念旧多は…ハイルちゃんが原作の方でも言っていたので、これ見た瞬間爆笑した私が拝借したものです(笑)どこが残念かは…多分性格かなんかです(笑) (2017年3月1日 21時) (レス) id: b31406f440 (このIDを非表示/違反報告)
氷姫 - 『残念旧多』って言葉を聞いた時、爆笑しました、マジで((笑笑 何が残念なのか分かりませんが、ドンマイです…！旧多！！ (2017年2月28日 10時) (レス) id: ea9d943ec3 (このIDを非表示/違反報告)
:re - バニラさん» ありがとうございます！私が書くのはヤンデレ多めなんですが、今回はシリアス頑張りました。私も空の世界、あってほしいです。いろんな人の感情が混ざりあって、あの色この色なるのかな、と思います。 (2017年1月5日 22時) (レス) id: b31406f440 (このIDを非表示/違反報告)
バニラ(プロフ) - 何か宇井さんの『世界と世界』、胸がぎゅっとしました。空の世界、あって欲しいです。頑張ってください (2017年1月5日 22時) (レス) id: 2396b6692f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：:re | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tokyoghoul1/
作成日時：2016年10月30日 23時
