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三ツ谷「どういう事だ、コレ」
少し遅れて教会に到着した三ツ谷が惨状を目にして、驚いた声をあげた。
武道「柚葉が、大寿を殺そうとしたところで…彼女が間に入ったっス。」
三ツ谷「聖さんがどうしてここにいるんだよ、おかしいだろうが、大寿。
何でお前は愛だって唆して、傷付けて、縛り付けて。
聖さんの気持ち考えたことあんのかよ」
淡々と告げながら彼女を端の方へと運んだ。
腹部からは出血が止まらず、間に合わせの応急処置しか出来なかったせいで一刻も早く病院に連れていかなければならないという。
大寿「Aが勝手にここへ来て、勝手に刺されたんだろ？
それについて俺を責めンのは、ちと違うんじゃねえか？」
三ツ谷「そうさせたのはオマエだって言ってんだよ。」
大寿「フン」
彼の弟分である柴八戒によると、あれほどまでに三ツ谷が怒りをあらわにしたのは後にも先にもなかったという。
三ツ谷「聖さんの目が覚めたって。」
大寿「何故それを俺に？」
結局、あの日の兄弟喧嘩は後に、一部で聖夜決戦と呼ばれるようになったのだという。
あれから柴大寿は、不良を引退するという形で前線から退いた。
数ヶ月前と比べると大人しくしている大寿と三ツ谷は、あの戦いのあとから少しずつ顔を合わせているのだとか。
2人で遊びに行ったり、三ツ谷の妹たちの世話を頼んだりと色々関係は良い方に傾いているのだそう。
三ツ谷「一応、大寿くんのこと守って倒れたってことになってるらしいじゃん。ま、大寿くんは面会禁止だけど」
大寿「そうだな」
三ツ谷「別れたとかないの？」
大寿「そういう話はしてねえよ」
砕けた話も色々出来るようになってきた頃、三ツ谷はずっと聞きたかったことを聞いた。
三ツ谷「ずっと気になってたんだけどさ、大寿くんって何でなんで聖さんと付き合ってんの？」
大寿「ハ？」
三ツ谷「なんつーか、純粋に疑問なんだよね。
聖さんってこっちの世界とは縁遠いイメージだし、もっと普通の人を好きになるタイプだと思ったからさ」
純粋に気になったのだ、と再度釘を刺すように宥めながらその理由に耳を傾けた。
大寿「一目惚れってヤツだ」
ただ、その理由はどうしても彼らしくないというか、何と言うか似合わない。
思わず吹き出してしまえば、少し苛立ちを含んだ視線で睨まれる。
三ツ谷「てことは、ずっと好きだった……ってことだよな。今も？」
それから、大寿の口から意外な事実が告げられた。
大寿「………実は、」
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作者名：HAL | 作成日時：2023年11月15日 23時
