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柚葉「A、最近兄貴と会ってるよね」
ある日突然、腕を引かれて公園に連れてこられた。
そこには三ツ谷くん、八戒くんもいて、確認作業を行うように聞いてきた彼女、険しい表情だった。
『うん』
柚葉「その傷、兄貴だよね」
三ツ谷「ハ?ちょっと待って、話が見えねえ」
柚葉「兄貴は多分、Aに惚れてる」
八戒「え!!!」
柚葉「色々考えてみたんだけど、やっぱりAと兄貴が顔を合わせてから変なことばっかり起きるようになった。
Aに一時期傷が増えたのは、Aの家のせい。そしてその問題を兄貴たち黒龍が解決した。」
『……』
柚葉「それから何があったかは知らないけど、Aは今、兄貴と生活してるよね。
最近傷が酷く、増えてんのは兄貴のせいだろ。」
手の色が変わっちゃうぐらいに拳を握っている、その手は震えていた。
『私は大丈夫だよ』
柚葉「大丈夫なワケあるかよ!!!」
三ツ谷「あぁ、少なくとも俺らからは聖さんが大丈夫なようには見えねえ。」
『気にしないで、本当に大丈夫なの。』
柚葉「Aは、ずっと一番大事なことをアタシに頼ってくれない……アタシだって力になりたいのに!!
そうやって大丈夫、大丈夫って一人で抱えて、どんどん傷付いて、包帯や湿布が増えていくAなんて見たくない!!!」
『柚葉ちゃんも、ひとりで抱え込んでるじゃん』
柚葉「え……?」
『な、ッ…なんでもない!ごめん、帰るね!』
呆気に取られている三人を置いて、私はダッシュした。
とりあえず人目のつかない場所に行って大寿さんに迎えに来てもらおうと思った。
「待てよ」
『離して、止めてっ!!!』
「何をそんなに焦ってんだよ。」
『三ツ谷くんには関係ないでしょ!?』
「確かにそうかもしれねえけど最近、聖さん俺のこと態と避けてンだろ。避けるっつーことは、関係あるってことだ。」
『お願いだからっ、手ぇ離してよ!!』
振り払おうとどうにか色々試みても、私の手首を掴む三ツ谷くんの手は離れない。
『こんなとこ、見られたらっ……』
彼に連絡したことを思い出してハッとした。
なんだか胸が騒がしくて、嫌な予感がしていたから。
きっと、今までのどんな時より最悪の事態になってしまうだろうと思った。
「楽しそうだなァ、A。」
『た、いじゅ…さん』
「俺を呼び付けておいて、堂々浮気か?」
『違うんです、離してくれないの、三ツ谷くんがっ、ごめん、っ、ごめんなさいッ!!』
「聖、さん?」
大寿さんは軽く地面を蹴り、私と三ツ谷くんの方へ真っ直ぐ突撃してきた。
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作者名:HAL | 作成日時:2023年11月15日 23時