愛してるってなんですか【東リべ】 (ページ19)

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『ねえ柚葉ちゃん、テストどうだった？』

柚葉「テスト？あー、まあまあかな.....
それよりAっ」

『やっぱりそうだよねえ？テスト難しかったもんね！』

柚葉ちゃんは最近、心配そうな顔をするんだ。

けどその理由はもう分かっている

最近増え続けてる擦り傷や、ガーゼ。
それにテープやなんかが気になっているんだと思う。

だから私は、そんなことを知らないフリでいつものように過ごしている。

その原因は、今も私の家にすみついている母親だ。

『あ、きょうはもう帰らないと。
部活も、いけないや、ごめんなさい。』

先生にひと言断りを入れて家路を辿れば、可愛らしく鳴る携帯の音。まあでも、その内容は全然可愛くないんだけどね。

"「今日8時に客来るからそれまでにご飯作って、客帰る朝までどっかで暇つぶしてて。客いる時にウチ帰ってきたらお前も売るから。」"

『あーあ、なんだろねぇ.....』

適当にカゴに野菜や肉を突っ込んでレジに向かう。

お会計も結構したな、祖父母から貰っている仕送りも母が抜いて持っていく。最近はお財布も軽くって困ってしまうのだ。

へそくりとは言えないけど、社会に出たらきちんと返す為に見える形にしていたのが仇となってしまった。

『.....ただいま。』

「.....」

酒、は飲んでいない。そっか、今日の夜は客が来るから。

だから、早く支度してご飯作って食べて、お風呂の掃除をしてから家をあけないと。

『だ、めだ.......』

やることが、多すぎる。

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『.....お腹減っちゃったなぁ』

結局浴槽の掃除をしてご飯を作り終えたところで扉がノックされた。

客は楽しみで早く来てしまった、だなんて言う。

こっちとしてはいい迷惑でしかない。結局ご飯を食べることはできなかったし、そのまま家の外であの客が帰るまで時間を潰さないといけない。

『うーん、とりえず口に入れるものと飲み物が欲しいな』

コンビニに入って、適当に安い商品をレジへと持っていった。

食べる場所というのも探さなくてはいけないし、人目のつかないところというので神社の近くにある公園へと向かった。

まだ暗くなりきってはいないものの、こんな時間から神社や墓のあるような場所へ近付くような人はまず居ないだろうと思ったのだ。

『うん.....んま、たまにはコンビニのパンもいいかも。』

握った拳が濡れて雨が降ったのかと思えば、それは私の落とした涙だった。