クスリ�� ページ5
Side 竜胆
任務終了、というか
面倒くせぇことになった。
「……どうすんだよこれ」
「置いて帰ろーぜ。兄ちゃん早くAちゃんに会いてぇ」
「それはそうだけど」
「一緒に録画した金ローみる約束してんだよ」
「俺もだし」
敵組織の幹部と首領を残したところで、三途のテンションがさらに上がった
そしたらこいつ、新しく手に入れただのなんだの言って飲みやがった
何をって、クスリ。
俺らじゃ手に負えねぇ状態になった三途を
連絡してモッチーに迎えに来てもらう。
首領の確保は鶴蝶に預けたところで終えたし
血濡れのビルの片づけは部下に任せる
「お前ぜってぇそのままアジト戻ってくんなよ」
…言ったところで聞いちゃいねぇ
「竜胆くん！」
「ただいまA」
「蘭ちゃんもいるぞ〜」
「おかえり蘭ちゃん！」
「ん、ただいま♡」
「寝てた？」
「ううん。なんか眠れなくて」
そっか、て兄ちゃんがブランケットをAにかけなおす
「シャワー浴びてくっから、待ってて」
「うん。…春千夜は？」
「もうちょいしたら帰ってくる」
「そっか」
シャツのネクタイを緩めて、ボタンを2つ外して
ぽけーっと俺を眺めるAに少し笑う
帰ってくるたび「おかえり」って言われるのが
まるで俺らん家にいたころみたいで、懐かしくて嬉しくて
その瞬間、でけぇ物音がして叫び声が聞こえた
「A」
「え」
アイツ、クスリ抜けるまで帰ってくんなっつったのに
まぁ聞いちゃいねぇのは分かってたけど
驚いて肩をすくめるAの手を取って、奥の部屋へ移動させる。
目が合った兄ちゃんはきっと察してる。
「…あー、ごめん血、生臭ェよな」
「へーき」
「ちょっとだけ俺とここにいて。すぐ収まるから」
「…竜胆くん」
「ん」
「…春千夜、だよね」
「…うん」
Aには見せなかったくせに、ラリってる姿なんて
どうせ怖がらせたくねぇとかなんだとか思ってたくせに
アホだな。自業自得としか言えねぇわ。
「…ずっと？」
「…まぁ、短くはねぇ」
「そっか」
「…今のアイツ、周り見えなくなってっから。何するか分かんねぇからしばらく離れてて」
「…」
「…A？」
しばらくじっと何か考え込んでいたAが
するりと俺の腕から抜けて、立ち上がる
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作者名：san | 作成日時：2021年11月28日 17時
