1日目だっていうのに―2 ページ9
「で、なんで爆豪くん私の家にいるの?」
問い詰めたが、爆豪くんはムスッとした顔で何も言わない。
しかもこの態度。なんか機嫌悪くない?
「帰ってくるのおせーんだよ」
「仕方ないじゃん。爆豪くんを待ってたのに先に帰っちゃってるから」
「待ってたのかよ…」
自分の頭をぐしゃっと掻き乱すと、それからまた無言で私の漫画を読み続けた。
機嫌悪いですオーラがすごい。
もしかして、察せと?
「あのさ、なんで機嫌悪いの」
思い切って言ってみたのだが、どうやら図星のようで、彼は何も否定しなかった。
漫画を読む手を止めているので、無視ではないらしい。なにか考えているのか。
暫く沈黙が続いた後、爆豪くんが口を開いた。
「デクのヤローが……」
「デク?ああ、緑谷くんね」
「アイツ、個性持ってやがった」
「え??……緑谷くんって、無個性、でしょ?」
確か緑谷くんは無個性のハズ。
話したことはなかったけど、爆豪くんが目の敵にしているのは知っている。
昔、一度だけ爆豪くんの緑谷くんに対する態度が酷すぎたので、やめなよ、と言ったことがある。
だが爆豪くんに個性で脅され、自分の体が吹っ飛んで行くのがおしい私は、それ以来緑谷くんの話を口にすることはなかった!
すみません、チキンなんです。
爆豪くんが緑谷くんの話を出すなんて珍しい。それに、無個性だった緑谷くんが個性を持ってたって?え?何?ミステリー……?
「個性なんて今更生まれるもん?それとも隠してた?」
「…………やっぱりアイツ、隠してやがったのか!」
「あああ!待って待って、落ち着け爆豪くん。あくまで私の予測だから!」
みみっちい爆豪くんだが、今の発言には私にも非がある、いや非しかない。気をつけろ、私。一人の命がかかっている!(大袈裟)
話と空気を変えるために、今日A組では何が行われていたのかを聞くことにした。
「へー、体力テストか。個性使っていいんだ。流石ヒーロー科」
「オメーんとこは何したんだよ」
「普通に入学式」
入学式をしないで体力テストだなんて……変わった所だなぁ、ヒーロー科。
私は個性を使って体力テストした所で大した結果は出ないだろうけど。
「爆豪くんの個性だったら良い結果出そうだよね。50m走とか、ボール投げとか」
「たりめーだろ。ボール投げなんか………………
ああ"!あのクソナードが!!俺を出し抜きやがって!」
「急になに!?」
ボール投げ地雷なの!?
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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時