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視界は不良―2 ページ30

大して遠くない隣の家。

それでも、運動不足の私は息をあげていた。



インターホンを指で押すと、爆豪くんが出てきた。彼は私を見るなり顔を顰めたが、ドアを閉める様子はない。だが、喋る様子もない。

無傷な彼を見て、安堵の息を漏らす。
安心したからか、昨日出尽くしたと思っていた涙は、再びぽろりと目から零れた。


泣いている私を見たからか、爆豪くんはギョッとした顔で私を見る。


爆豪くんは強引な隣人だ。気づいたら家に居るし、お茶を出したら文句は言うし、急に抱きしめてくるし、おまけに没個性とか言ってくる。それでも奥には優しい心が隠れている、夢に向かって一直線で迷いのない彼。

私はそんな爆豪くんが大好きなのだ。

たまには私が強引になってもいいよね?



「爆豪っくんっ!!」



ドアを押しのけ、爆豪くんに体に飛び込んだ。爆豪くんの体は後方に揺れたが、倒れることはなかった。

久しぶりの爆豪くんの匂いがとても心地よかった。それでも涙は止まることなく流れる。



「ッ、危ねぇだろうが!」

「だって……!」



爆豪くんを抱き締める腕に力が篭る。
爆豪くんの服に鼻水やら涙やらがついていくが、そこら辺は許して欲しい。

ウッウッ、と嗚咽が止まらなく、呼吸がしづらい。



「ばくごー、くんっ、わたし…っ、ごめっ…」



うまく喋れなくて悔しい。爆豪くんにはきちんと伝わっているのだろうか。何度もごめん、と繰り返す。

一方的にキレてしまったこと、爆豪くんを避けていたこと、爆豪くんにもう会えないんじゃないかと考えてしまったこと、急に抱きついたこと、服を汚したこと。


これらの全てを含めて「ごめんなさい」と彼にもう一度謝った。


爆豪くんは、私の後頭部に手を添える。私の髪の毛を撫でる彼の手が心地よかった。



「もういいわ…………俺も、わるかった…」



小さな声ではあったが、確かにそう聞こえた。爆豪くんが謝る必要なんかないのに。



「わたしっ……爆豪くんのこと、好きなの」

「……は?」

「好きなの、だからっ、あんなこと言っちゃってっ…。本当にごめんなさい。テレビで、見た時……ずっと心配でっ。だからっ、だから、お願い。嫌いに、ならないで…」



彼の胸にうずくまっているので、彼の顔は見えない。だが、きっと迷惑そうな顔をしていると思う。隣人が急にキレたと思ったら告白してきて、って強引にも程がある。

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睡眠(プロフ) - 花帆さん» 初めまして。ありがとうございます!私もその場面はニヤニヤしながら書いておりました笑。光栄です。最後まで読んでくれて有難うございました! (2018年3月2日 23時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、完結おめでとうございますヽ(*≧ω≦)ノ面白くて一気に読んでしまいました…!かっちゃんの「好きだ」の連呼ありがとうございます。トキメキましたっ (2018年2月26日 0時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - カリナ@さん» 本当ですか…!とても嬉しいです!ありがとうございます。私の小説には勿体無い言葉です。 (2017年12月29日 1時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)
カリナ@(プロフ) - 好きなヒロアカ夢小説ランキングで完膚無きまでの1位です。ご馳走様です。( ˘ω˘ ) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 4a2c949ac9 (このIDを非表示/違反報告)
睡眠(プロフ) - かむぱねるらさん» コメントありがとうございます!私も書いててドキドキしました…。完全なご都合爆豪ですが、書いてて楽しかったです!最後まで見てくれてありがとうございました。 (2017年12月17日 21時) (レス) id: 5b2cba2480 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:睡眠 | 作成日時:2017年12月4日 2時

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