黄色さん病系短編集 (ページ29)

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車酔いページ29

かずなりside

チェックインが終わるのとしょうがロビーに入ってくるタイミングが同じで3人並んでエレベーターを待つ。

「10階か…かずもうちょっと頑張ろうな。」

背中を摩りながらさとしがそう言ってくれる。
エレベーターが到着して3人で乗り込む。

他にお客さんが居なくてそっとその場にしゃがみ込む。

「…っ…うっ…」

エレベーター特有の浮遊感に再び吐き気が強くなる。

「大丈夫？もうすぐ着くよ。」

そう言ってそっとさとしが立ち上がらせてくれてエレベーターを降りホテルの部屋に入る。

「着いたー。かず、とりあえずベッドに座りな。」

気を使ってか食べ物を離れた所に置きながらしょうがそう言ってくれる。

ベッドに浅く腰掛けて吐き気に耐える。

「…ごめ、」

深呼吸しても吐き気が込み上げるばかりで限界を迎えトイレに駆け込む。

「…っ…うぇっ…はぁっ、はぁっ」

トイレのドアを閉める余裕もなく
便器の前に座り込んだと同時に吐瀉物が口を飛び出す。

「…おぇっ…はぁっ…げほっ」

何度が嘔吐しようやく落ち着く。

フラフラとトイレを出るとすぐにしょうが駆け寄ってきて身体を支えてくれる。

「もう大丈夫そう？」

「…うん…ごめ、汚いところ…」

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