ヒーローと甘々。その１７。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿擽ったい距離感。　キングオージャー【ヤンマ・ガスト】 ページ41

✿隠岐様リクエスト✿

ＮＯサイド

ある日のンコソパ。

総長ヤンマ・ガストとその恋人Aは散歩をしていた。

２人は政略結婚により、婚約をしている。

後々正式に結婚をする予定だ。

とは言え、お互い悪い雰囲気は無い。

寧ろ、Aは彼に恋心を抱いているし、ヤンマの方がどうかは分からないが、悪くは思っていなさそうだ。

２人で並んで歩くが、特に会話は無い。

ヤンマは景色を眺めて………と言うか外方を向いているし、Aは俯いている。

何とも言えない擽ったい空気が２人を包む。

付かず離れずの距離だった２人だが、指先が触れ合い、顔を真っ赤にしながら手を引っ込める。

そこで手を繋ぐ事が出来れば良いのだが、やはり２人はまだその段階まで達していない。

もどかしい気持ちに襲われ、気が動転したのか、Aは口を開いた。

『あ、あのっ』

ヤンマ「何だよ」

『政略結婚………どう思いましたか？』

しかし、飛びだした話題は予想外の物で、今口にはしない方が良さそうな物だ。

ヤンマ「………別に。何ともねーよ」

ヤンマはぶっきらぼうにそんな事を言う。

だが何とも無い事は無いと言うのはバレバレだった。

こんなにも分かり易く顔が真っ赤なのだから。

でもAは自分の事に精一杯でそんな事を気にしては居られない。

それから彼女は口を開く。

『………私は、嬉しかったです』

ヤンマ「はっ？」

いきなりの発言にヤンマは眉を跳ね上がらせる。

かなり驚いたのだろう。

『だって、ヤンマ様の事好きですから………』

口の中で小さく呟いただけだが、その言葉はヤンマの耳にもしっかり届いていた。

ヤンマ「お前本気かよそれ！？」

つい大声で聞き返す。

本当は嬉しいのに、素直にありがとうなんて言える訳が無かった。

Aが小さく頷くと、ヤンマは視線を泳がせてから小声で言った。

ヤンマ「………あっそ。まあ、俺も好きだけど」

『ええっ』

まさかヤンマから好きだなんて言われると思っておらず、Aは頬をピンク色に染めて目を丸くする。

ヤンマ「うるせぇ、何だよ」

『だってヤンマ様がそんな事言ってくれるなんてびっくりですもん………』

Aは体温が上がり切った顔を両手で包み込む。

自分が初心過ぎて、こんな事でも心臓が爆発しそうになる。

一方ヤンマも、自分の天邪鬼さに嫌気が差していた。

それでもこの空間が嫌いじゃないのは、君が隣に居るからだろうか。



リクエストありがとうございました✨

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