ヒーローと甘々。その１２。【仮面ライダー】【スーパー戦隊】

✿私よりもお似合い。　ギーツ【浮世英寿】 ページ34

✿Makua*ぼっち様リクエスト✿

ＮＯサイド

『あ、そろそろ時間』

Aは時計を確認すると、スマホの画面をタップする。

動画配信アプリを開き、お目当ての動画を開いた。

時間になると、【スーパーセレブ祢音ＴＶ】のロゴが大きく表示された後、鞍馬祢音が笑顔で手を振る。

これは、セレブインフルエンサー祢音の生配信。

Aはこの企画を楽しみに日々を過ごしている。

祢音は企画や最近あった出来事等をオープニングトークで話した。

その時、何故かカメラの視点が変わった。

祢音は遠くに立っているから、カメラは固定されていた筈。

祢音が手を伸ばす様子も無かったから、動かしたのは他人だ。

ボディーガードの人だろうかと思ったが、犯人は直ぐに姿を現した。

『えっ、英寿くん！？』

それは、Aの彼氏浮世英寿であった。

いきなりの展開に、Aは驚きを隠せない。

英寿は、スーパースターであるからコメント欄も騒がしい。

【夢の共演】【推せる💖】【まじか！？】なんてコメントが並ぶ中、Aの胸に深く突き刺さったコメントがあった。

【この２人、お似合い♡】【付き合えよ！いや、もう付き合ってるか】。

英寿と付き合っているのは自分だ、と心で囁く。

そんな嘘が並ぶけど、お似合いなのは事実だった。

平凡な自分より、可愛い女の子の方が釣り合うだろう。

Aはその日の配信を、憂鬱な気分で眺めていた。

そして動画が終わると、直様晩ご飯の用意。

ザクザクと野菜を切っていると、玄関ドアが開く音。

英寿が帰って来た。

いつもなら出迎えるが、今日はそんな気分では無い。

英寿「ただいま」

『………お帰り』

Aが小さく返すと、英寿はキッチンに入って来た。

英寿「どうしたんだよ？」

英寿はAの顔を覗き込む。

瞳には薄っすら涙が滲んでいた。

『玉葱が沁みただけ』

英寿「………祢音の配信の事か？」

察しの良い英寿は言う。

『そうだよ。お似合い、なんて言われちゃって。ほんと私達不釣り合いだね』

英寿「それだけの理由で別れようとしてるなら無理な話だ。お前は俺の彼女なんだぞ、自信持て」

英寿はそう言うとAの首筋を甘噛みして、ちゅ、と吸う。

所有印である紅い花が咲く。

『ん………』

英寿「これで証明出来ただろ。俺とお前が恋人だって」

『うん……』

やっと口元に笑みを浮かべたAを見て、英寿は微笑みながら後ろからぎゅっと抱き着いた。


リクエストありがとうございました✨

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