_ 特撮学園 _＊three＊ (ページ9)

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「素直になれない」ページ9

ことはは分厚い本を胸に抱えて階段を上がっていた。すると、ドタドタと足音が響いて来た。

ハカセ「ルカ！なんで怒ってるの!?」

ルカ「怒ってない！もうあっち行ってよね!」

と、目の前の廊下を通り過ぎて行ってしまった。
階段を上がり切り二人が入って行った方を見てみるももう姿は見えなかった。

源太「丈ちゃん！今日の帰りは…」

丈瑠「また、買い食いをするのか？」

源太「おうっ！」

丈瑠「しかし…、買い食いをすると家でご飯があまり食べれなくなる。」

と、教室では源太と丈瑠の二人で話し合っていた。そんな二人の楽しそうな雰囲気の中、教室に入っていく勇気なんてことはには無い。
だからことはは本を胸に抱えて千明を探す事にした。きっと、隣の豪快組に居るだろうと思い豪快組の教室を覗いた。

アイム「今日は"雪だるま"と言うものを作りたいです」

鎧「アイムさん…、残念ながら雪だるまは冬にしか作れません」

アイム「あら…、ではもう無理なのですね？」

鎧「はい…、でも！今日はプリクラを撮りませんか！」

アイム「プリクラ…？」

プリクラを女性と二人っきりで撮ろうと申し込むのは勇気がいること。ましてや、好きな女性を誘うのは尚更だ。「良いですよ」と聞こえた瞬間鎧は「よっしゃァあ！」と椅子から立ち上がりガッツポーズをした。

ことは「…二人しか居らへん…」

楽しそうな雰囲気だが、ことははションボリした顔をした。「こーとはっ、」と聞こえるまでは。

千明「豪快組覗いて何してんだよ？」

ことは「あっ、千明…！…千明の事探しててん」

千明「はは、だから豪快組覗いてたのか」

さり気なくことはが持っている重たい本を持ってあげる千明の優しさにことはは悲しくなる。
「なぁ、千明」、「ん？」、と俯きながら千明を呼んだ。

ことは「マーベラスさんに…いつ告白するん？」

千明「はっ!?…え、ぁ…それは…。…ことはの前では素直に話せるんだけどな…、マーベラスの前じゃ緊張しちまってさ」

頬を人差し指でポリポリかく仕草をしながら苦笑いした。「えー、なんでや！二人ともお似合いやで！」にこ、と頑張って笑みを作ることは。だが千明は作り笑いだとか、これが本音じゃない事なんて見抜けない。

千明「サンキュー、やっぱことはになら何でも話せるわ」

ことは「ふふ、そう言ってもらえて嬉しいわ」

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好きな人の前だから、素直になれない。

"好き"を伝える事すら出来ない。