39 ページ39
.
エスクプスさんが来たその日の夜。
仕事を終え家に帰り、恒例の半身浴をする。
湯船に浸かりながら今日1日のことを振り返る。
これが私の日課だ。
今日考えるのはエスクプスさんの話ばかり。
昨日はずーっと、なんでスングァニとホシさんは先に帰っちゃったんだろうって、怒らせてしまったのかなってそればっかり考えていた。
私の何がいけなかったんだろうとずっと責めていたけれども、やっと今日エスクプスさんが教えてくれてわかった。
まさか、スングァニが私とディノちゃんの関係にやきもちを妬いていたのだなんて驚きだ。
思わずどちらにやきもちを妬いているんですかと尋ねそうになったけれど、私に…で…いいんだよね？
間違っていないよね
そう自分に言い聞かせた。
やきもちを妬く、つまりスングァニは私に好意を持ってくれてるということでいいのかな。
それともお姉ちゃんみたいに思って懐いてくれていてやきもちを妬いたのかな…。
そう考えながら一度お湯の中に頭を沈める。「ぷはっ」と言いながらお湯から顔を出しもう一度エスクプスさんの話を思い出す。
そうだ、でも私はもうスングァニのこと好きって言っちゃったんだ！
急に思い出して恥ずかしくなる。
誤魔化す方法はいくらでもあった。
でもエスクプスさんの真剣な顔を見ていたら、つい「スングァニのことが好きなんです」と言ってしまった。
なんだか見透かされているような気持ちがして嘘をつけなかったのだ。
それに、私の中でスングァニを好きだと思う気持ちがどんどん大きくなってどこかに吐き出したかったのかもしれない。
ふと、いつからスングァニを好きになったのかと考え出した。
「初めは可愛い顔したお客さんだなって思って」そう独り言をぶつぶつ言う。
「そうだ、スポーツ選手って騙されていたあたりから気になり出していたのかな…」
頭の中を整理するためにもう一度お湯の中に頭を沈める。「はぁーっ」と言いながら顔についたお湯を手で拭う。
「そう、もうコンサートの時は好きだったなぁ」そう呟く。
コンサートの時のカッコいいスングァニを思い出して一人で悶える。
それと同時にエスクプスさんに言われた「好きという気持ちを本人に伝えなければならない」という言葉を思い出す。
そうだ、時間はかかってもいいからちゃんとスングァニに伝えよう、そう心に決めた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 579人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ボッチャ(プロフ) - 千笑さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると嬉しいです♪頑張って更新しますね！ (2021年8月24日 23時) (
レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
千笑 - すごく面白いです!本人の顔を見ているわけでもないのに簡単に想像できてしまって、終始口角が上がりっぱなしでした（笑）更新頑張ってください！！ (2021年8月24日 9時) (レス) id: 14dbb1d17f (このIDを非表示/違反報告)
ボッチャ(プロフ) - anzuさん» コメントありがとうございます。読んだ瞬間嬉しくて笑顔になりました。なんとか完走できるよう頑張りますので引き続き読んでくださると幸いです。 (2020年8月21日 4時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
anzu(プロフ) - お話めちゃくちゃ好きです> <更新されるたびに嬉しくて飛びついて読んでます！笑 無理せずボッチャさんのペースで頑張ってください、素敵なお話をありがとうございます。 (2020年8月20日 0時) (レス) id: 2d5dcafa21 (このIDを非表示/違反報告)
ボッチャ(プロフ) - 〇〇さん» ありがとうございます。頑張って書きます！ (2020年8月18日 1時) (レス) id: be042a805d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ボッチャ | 作成日時：2020年7月30日 5時
