＊＿＿宇宙音 ページ6
「あとそのネックレスも似合って……ってそれは俺が選んだやつか」
そうだよ。私のとっても大事なもの１つ。
きっと、遼は知らないんだろうなぁ。私の気持ちなんて。
複雑だなって思うけど、さ。
ほら、やっぱり。
……気付いてほしいけど、それで困らせたりわずらわせたりするのは絶対に嫌なんだ。
そう、"絶対に"。
「……自分があげたものくらい覚えておきなよ」
「や、覚えてるけど、」
"なんつーか、あの、さぁ"
あぁ、可愛いなぁ。本当にこんな弟がほしかった。
……だって。
弟だったら、こんな複雑でこじれきった歪な関係になんて、なってなかっただろうから。
だけどそれは、叶わないから。
"足掻き"って言っちゃあれだけどせめて、出来るだけでも。
――弟扱い、させてください。
なんて。
爪先の辺りにりぼんの着いたぺたんこかかとのバレエシューズで背伸びして、私より頭一個分くらい高い位置にある遼の頭をぽんぽん。撫でてみたり。
あ、すごいさらさらしてる。
いいなぁこの髪質、羨ましい。
「……Aさーん」
「えー？」
「いつまで撫でてらっしゃるのでしょーか」
ちょっとかがんで私と目線合わせて、そのこの上なく優しそうな目で私を見る。
あまりにも綺麗な目でじいっとこちらを見つめてくるものだから、ついびくり、固まっちゃって。
宙に浮いたまま停止しちゃった私の手を、遼の右手がそっとつかんでそのままぎゅって、握るの。
その手がなんだか、またちょっぴり大きくなってるような気がして――でも、昔と同じでぽかぽか温かい。
触れてるところから、遼の体温とか脈拍とかそういうのがいっぱい。いっぱい伝わってきているような気がする。
気のせいかな。
(……ううん、きっと、)
"気のせい"なんかじゃない。
遼の"優しさ"は大きすぎて、こんな些細な時でも事でも、漏れだしてきちゃうんだ。
だから
(――……こんなに温かいんだ)
あ、なんかこうやって手繋いで歩いてるとカップルみたい。ちょっと気恥ずかしいかもだなぁ、遼は平気なのかな。とか。
こういう風に思うのは、遼の気持ちに意地悪してるってことになるのかな。なっちゃうのかな。
でも、ごめんね。
――もう少し、このままでいさせて。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←「今はまだ」＊遼夢＿＿＿宇宙音
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きら - かしたろさんみたいです！！ (2014年11月17日 18時) (
レス) id: ea71c3d1ac (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - そらるさんとのが見たい！！ (2014年11月15日 9時) (レス) id: bed5eb6209 (このIDを非表示/違反報告)
亜風炉勇気(プロフ) - 嫉妬りぶさんやばいです。(真顔← 灯油さんとのが見てみたいです！ (2014年10月24日 23時) (レス) id: 99da9819b3 (このIDを非表示/違反報告)
雨森 - ヤバすぎデス/// まふまふsとのがみてみたいです! (2014年10月22日 15時) (レス) id: 5c28c0dcfa (このIDを非表示/違反報告)
chalo - 嫉妬りぶさんが、破壊力やばいですね。なんてイケメンなんでしょう。素敵です。 (2014年10月19日 21時) (レス) id: ac41601df8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：特別寮見守り隊 | 作成日時：2014年10月15日 23時
