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夜、星 *天月 ___すみれ(藤) ページ3

【本編とは全く別のお話です】


「A、こんなとこに居たら風邪ひいちゃうよ。」

「天月先輩…」

先輩は何も言わずに、ベンチにすとんと腰を下ろした


「…先輩、星、綺麗じゃないですか?」

「あ〜…星見てたんだ。」

そう言って先輩は私と同じように空を見上げて「ほんとだ」と笑った


「私、秋の夜空が好きなんです。何だか特別星が綺麗に見えて。」

「へぇ〜…じゃあAにとっては星の秋?」

何だか変な言葉だな、と思いつつも、先輩が楽しそうに笑っていたから

連られて私も微笑み返した


「…天月先輩にとっては何の秋ですか?」

星から隣に座っている天月先輩に視線を移し、問いかけた


「ん〜……Aの秋。」

「意味不明です。」

「ハハッ、そんなことないよ。ほら…」

先輩は怪しげに微笑むと、ぎゅっと私の右手を握り

耳元に唇を寄せてきた


“食欲が抑えきれない季節でしょ?”


「きゃっ…」

途端、かぷっと耳を甘噛みされ、即座に天月先輩から距離をとる


「そ、そんなこと聞きたかったんじゃありません!」

「えー、だって本心だよ?俺、星と同じくらいAのことも好きだし。」

先輩がそう小さく呟いた

その声は、今にもこの暗闇の中に消えていってしまいそうだった

私は、先輩にしては珍しいなと思った


「…てかこの距離は何。」

「っせ、先輩があんなことするからですよっ!」

「えー、食欲の秋じゃん。」

拗ねたように唇を尖らせながら自分のすぐ隣をポンポンと叩き

「こっち」と手招きをする


「…もうそろそろ帰りますからね。」

そして結局私は先輩の言う通り、隣に座り直すことになった


「それでいいんだよ。このほうが温かいしね。」

外が寒いのを言い訳に、先輩はぎゅっと私に抱きついてきた


「…ねぇ、ずっとこうしてるのと、今俺に襲われるの、どっちがいい?」

急なこの問いかけに、私は困った

どちらも嫌だけれど、先輩のことだからきっとそんなこと許してくれない


「…こ、このままで。」

躊躇いながらもそう返すと先輩は「はいはい」と言って

何故か私から離れた


「え…?」

「このままだとAが風邪ひくから、続きは家でね。」

その理由は先輩の優しさだった


「…それも勘弁です。」

「ハハッ、じゃあまた二人きりで星見に来よっか。」

先輩の笑顔が、星のように輝いていた

ごちそうさま*灯夢__さかし→←嫉妬 *りぶ夢 --yurun



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きら - かしたろさんみたいです!! (2014年11月17日 18時) (レス) id: ea71c3d1ac (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - そらるさんとのが見たい!! (2014年11月15日 9時) (レス) id: bed5eb6209 (このIDを非表示/違反報告)
亜風炉勇気(プロフ) - 嫉妬りぶさんやばいです。(真顔← 灯油さんとのが見てみたいです! (2014年10月24日 23時) (レス) id: 99da9819b3 (このIDを非表示/違反報告)
雨森 - ヤバすぎデス/// まふまふsとのがみてみたいです! (2014年10月22日 15時) (レス) id: 5c28c0dcfa (このIDを非表示/違反報告)
chalo - 嫉妬りぶさんが、破壊力やばいですね。なんてイケメンなんでしょう。素敵です。 (2014年10月19日 21時) (レス) id: ac41601df8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:特別寮見守り隊 | 作成日時:2014年10月15日 23時

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