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「ねえ、それ大丈夫なのかな…?」
「大丈夫では無いけれど…」
「だけど俺たちが無理に聞き出すのは良くないんじゃないか?」

テルを鏡舎まで送り届けた後、リドルはトレイとケイトに経緯を説明していた
怪我については頑なに『転んだ』という事
家族について話すのを避ける事
童話やお菓子など幼少期に知るであろうものをほとんど知らない事
その他色んな情報を合わせて考えた結果は3人とも同じ
親からの暴力を受けている可能性が高い
そこまで考えがついたトレイとケイトは顔を見合わせた
あまり言いたくは無いがリドルと似通った
もしかしたらそれ以上に良くない家庭状況では無いだろうか

「リドルとしてはどう考えているんだ?」
「…なるべく傷つけたくない。それが最優先だと思ってる」

何の関りも無かった自分を心配して声をかけてくれたテル
子どもっぽくて無知で放っておくと不安になる人物だ
でもその優しさと純粋さをリドルは気に入っていた
無理やり家庭事情に首を突っ込んでそんな友人を嫌がらせるのは本意ではない

「ヴィルくんに寮での様子とか聞いてみるのはどう?」
「確かに…リドル、テルの寮でのトラブルは聞いていないか?」
「聞いた事は無いね。寮内の掃除の大変さくらいだよ」
「ならやってみても良いだろうな」
「けーくんからヴィルくんに話してみようか?あの子どんな子なのって」
「そうだね、頼みたいな。僕と仲良くしているから気になるって理由も言うと良いと思う」
「おけおけ〜、任せといて!」
「俺の方もルークにでも聞いてみておくか。あいつなら寮生に詳しいだろう」
「ああ、確かにルーク先輩ならよく知ってそうだね」

3人の方向性が決まった所で各々の部屋の近くまで来た
また夕飯時に、と挨拶を交わしてリドルは2人と解散する
今日は課題がある
提出日はまだ先だが早いうちに終わらせておこう
そう考えた所でふと思い当たる
ここ最近のテルとの交流で彼の無知さは分かった
しかし思い返せば課題や授業で困っている姿を見た覚えが無い
課題の提出日は守っているように思える
それに授業中に内容に着いて行けないといった様子もない
試験の時に上位に入るほどでは無いが平均そこそこだろう
童話やお菓子を知らないのに勉学面には支障がない
それが何だかちぐはぐに思えて来た
彼について考え始めると謎が増える気がする
まあとりあえずはケイトとトレイの聞き込みに期待しよう
リドルは一度考えを打ち切って自室に入った

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共喰い@誰か・・・私に宿題の答えを・・・・(プロフ) - な、なんだこの神作品は・・・!更新頑張って下さい! (8月10日 19時) (レス) @page1 id: 6f0674a1a0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とことこ | 作成日時:2023年7月14日 19時

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