68.冷静さを失った代償[3] ページ19
「でっ、出たぁぁぁ！」
曖昧模糊な何かが全身に恐怖を与え、叫ばずにはいられなかった。
水浸しとなった青い髪、そして冷えきったように青白い肌はとても人間とは思えず、冷静ささえも奪う。
「えっ、何？」
怪異な現象に見舞われても、取り乱すことなく平然としている朔間は、この正体不明な何かよりも私に対し疑問を投げかけているようだった。
もしかしたら、この夢ノ咲学園には得体の知れない妖怪が住み着き、それが頻繁に出没している為朔間からしてはごく普通な光景なのかもしれない。
だが転校してきたばかりの私からしてみれば、明らかに異様な光景だ。
己のみならず、いずれは生徒全員がこの妖怪に憑依されてしまうのではと懸念し、ならば正さなければと思うのだが、目の前の何かの正体が掴めないので対処しようがない。
「海坊主か！？騒がしくしたから海坊主の祟りか！？」
「海坊主って…。大体ここ海じゃないし。」
妖怪の知識が乏しい今、水関連で咄嗟に出てきたのは『海坊主』だったのだが、朔間の言う通りここは海ではない。
坊主と名がつくあたり、頭は綺麗なスキンヘッドなのだろうが、目の前の何かは髪の毛はフサフサだ。
もう一つ思い当たる水関連の妖怪もまた、髪の毛事情や肌の色が少し違う気がするので、とりあえず冷静を失っていない朔間に確認した。
「じゃあ河童か！？頭禿げてないんだけど！」
「いや、河童は禿げてるんじゃなくてお皿だから。じゃなくてここ沼地でもないし。噴水だから。」
朔間により頭皮問題は解決したのだが、それがわかったところで正体までは明確にならず八方塞がりだ。
海でも沼地でもない噴水と関連づける妖怪なんぞ、昔読んだ書物には出てこなかった。
と言うより噴水自体が出てこなかったので、ここは妖怪と言う発想を転換し、別のモノに置き換えて見れば良いのではと、恐怖心に支配される脳内を必死に解放させた。
「じゃあ何だ？噴水の大御神か！？」
「…もしかして妖怪とか幽霊信じちゃってるタイプ？」
信じるとか信じないとか、そう言った次元で恐れを抱いているのではない。
不確定すぎる存在、そして古来より悍ましく描かれた話や絵画を幼少期に書庫で目にしてしまい、以後若干トラウマになってしまった。
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とーこ(プロフ) - あんな負のアンサンブル私だったら絶対に拒否しますね…。夢花さんのツボにジャストしたみたいで良かったです(笑)少しの間真面目な展開が続きますが、ちょいちょいおふざけを挟んでいきますのでよろしくお願いします！ (2018年8月22日 21時) (
レス) id: 519d18fdda (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 負のアンサンブルってそういうことだったのかwwwwww待ってwwwホッケーの発言が面白すぎてお腹痛いwww面白すぎwww最高www続き楽しみにしてまーす！！ (2018年8月22日 8時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とーこ | 作成日時：2018年8月17日 21時
