50.負のアンサンブル[1] ページ1
「何でこんな事になるんだ…。」
白を基調にした陶器の上に並べられる数々の茶色い塊。
火加減を間違えたのか、果てまた調味料を入れ過ぎたのか。
ネットで探した『誰でも簡単★差し入れレシピ！』を元に作成された茶色い塊は、とてもじゃないが料理とは言えなかった。
そもそも私は料理が出来ない。
実家にいる頃は、料理好きな豊が作ってくれていたし、台所に立ち包丁を持つと何故か皆怯えるので、料理をする機会がほぼ無いに等しかった。
料理初心者がいきなり誰のサポートもなしに作ってしまえば、口に入れるのも悍ましい程、えげつない物体にしかならない。
そんな私が今キッチンに立っている理由。
事の発端はレッスン中の明星の言葉がきっかけであった。
＊＊＊〈30分前〉＊＊＊
「う〜ん、今日も沢山動いたからお腹空いたね！」
レッスンが始まり早2時間。
この場にいる全員が昼食から何も口にせず、ひたすら歌やダンスに励んでいた。
予約終了までは後3時間も残っているので、このまま続けるには少し厳しいものがある。
「購買で何か買ってくるよ。」
プロデュースを頼まれたが何をしていいのかわからず、ひたすら彼らの歌やダンスを見続けるしかなかったのだが、明星の一言でそれらしい仕事が見つかった。
プロデューサーと言うよりはマネージャーっぽいのだが、最初から大それたことなどは出来る筈もないので自ら率先して声を上げる。
ほぼ何も入っていない鞄の中から財布を抜き取り、購買へと向かおうとした。
するとふいに何かを思いついたらしく、明星が両手を軽く叩き、レッスン室には小気味よい音が鳴り響く。
「簡単な物でいいからAの料理食べたい！」
「…はい？」
溢れんばかりの笑みを浮かべ、両肩をがっちりと固めると、いきなり頓珍漢な事を言い出す明星。
いくら自宅が近いからと言っても材料を購入し、一から料理など作りだしたら時間などいくらあっても足りない。
と言うより料理なんてしないので、自宅に調理器具など全くないのだが。
その旨を簡単に伝えたのだが、諦める様子もなく学院のシステムに関して説明を受けた。
どうやらこの学院には『自分で作るコース』と言う、料理が出来ない人間には何の得もないシステムが存在するらしい。
ある程度の食材は揃い、安価で食事にありつけるので結構利用者は多いと、氷鷹が淡々と語り出した。
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とーこ(プロフ) - あんな負のアンサンブル私だったら絶対に拒否しますね…。夢花さんのツボにジャストしたみたいで良かったです(笑)少しの間真面目な展開が続きますが、ちょいちょいおふざけを挟んでいきますのでよろしくお願いします！ (2018年8月22日 21時) (
レス) id: 519d18fdda (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 負のアンサンブルってそういうことだったのかwwwwww待ってwwwホッケーの発言が面白すぎてお腹痛いwww面白すぎwww最高www続き楽しみにしてまーす！！ (2018年8月22日 8時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とーこ | 作成日時：2018年8月17日 21時
